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逮捕報道から4カ月…佐野海舟はドイツで今「めっちゃいい。海舟がかなり回収してる」板倉滉も認めた10戦連続先発の理由「日本代表スタッフも視察」
text by
林遼平Ryohei Hayashi
photograph byGetty Images
posted2024/11/23 17:02
マインツで開幕から10試合連続でスタメン出場する佐野海舟(23歳)
「めっちゃいいですね。かなりセカンドボールを回収しているなと。自分たちがここを抜ければチャンスというところを海舟がとことんつぶしていた。危機察知能力、フィジカル能力、両方を持ってる選手で、なおかつ前にも運べる選手。『うわ、また海舟がプレスに入ったな』と後ろで思っていた。すごく今のチームに合っているなと思いますね」
翌週の第9節フライブルク戦では同じ日本代表のMF堂安律と対戦。
マインツは好調フライブルクに対し、自陣でブロックを敷きながらスペースを消して守備から入る形でスタート。相手のビルドアップをうまくサイドに追い込むように促し、中に入ってきたところで佐野が回収するというパターンを確立していた。実際にそのパターンでボールを奪い、前線へと運ぶ場面が多く、佐野が守備戦術における中心人物の一人となっていた。試合後、堂安も板倉と口を揃えて「海舟が生きるチームだと思う」と表現したように、佐野にとっては真価を示す一戦となった。
リーグでも屈指のデュエル勝利数
現在のマインツは、決して戦力が充実しているチームとは言えない。そのため、上位陣との対戦ではボールを持たれることを想定し、自陣にブロックを構築している。プレッシングで相手を追い込み、球際での勝負でボールを奪い、その瞬間に素早い攻撃を仕掛けていく形が多い。
その中で、対人の強さやセカンドボールへの予測が速い佐野のプレースタイルは非常にマッチしている。リーグ序盤では球際で競り負けるシーンも散見されたが、第9節終了時点で、デュエル(1対1)勝利数は合計99本でリーグ7位。この数字を見れば、いかに佐野がチームに貢献しているかがわかるだろう。
佐野自身も「守備は自分たちの対策していることをしっかり出せたと思うし、そこから攻撃につなげる形も上手くできた」と手応えを口にした。だが、続いた言葉はさらに先を見据えたものだった。
佐野が課題に挙げたのは攻撃面だ。