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逮捕報道から4カ月…佐野海舟はドイツで今「めっちゃいい。海舟がかなり回収してる」板倉滉も認めた10戦連続先発の理由「日本代表スタッフも視察」
text by
林遼平Ryohei Hayashi
photograph byGetty Images
posted2024/11/23 17:02
マインツで開幕から10試合連続でスタメン出場する佐野海舟(23歳)
「チームがボールを持つときは、やはり(ボランチの相方であるナディーム・)アミリから始まるので、そこのフォローをしないといけないけど、自分ももうちょっと出れるときは出ていかないとやはりFWの選手が孤立している場面が多い。そこはもうちょっと自分の位置を高くしつつ、守備になったときには問題ないというポジショニングを取り続けることが大事かなと。ボランチがやはり点を取れないとチームは上に行けないと思いますし、どんどんそこは狙っていきたい気持ちはあります」
この言葉がピッチにしっかりと現れたのが前述したドルトムント戦だった。これまで以上にボールを奪った後の縦への意識が高く、得点の起点となったロングフィードだけでなく、その他の場面では鋭い縦パスやボックス付近に入っていく動きも披露。これまで78.0%のパス成功率だった中で、ドルトムント戦では86.3%を記録するに至った。まさに攻撃面での進化が感じられるパフォーマンスだった。
また、走行距離113.68kmはチーム1位。リーグ全選手の中でも7位にランクインしている。無駄走りの多さを指摘されることもあったが、少しずつ変化を加えている。
「なるべく自分が外に出ることがないようにと考えている。出た時はしっかりディフェンスラインの選手がそこを埋めるのか、ボランチだったり、逆サイドの選手が入ってきたりするのかという話はできているけど、それがピンチにつながってしまうとダメだと思うので。そこは自分もあまり外に行き過ぎないことは意識してやっていきたい」
ブンデスで圧倒的な存在になれば…
佐野が存在感を高めてきたことでチームの成績も向上した。リーグ開幕以降、不安定な戦いに終始したマインツだが、ここ3試合は中位以上の相手に1勝2分としっかり勝ち点を獲得。現在10位。ここから下位との連戦の中で、どれだけ勝ち点を伸ばしていけるかは見どころとなる。
新たな舞台で一つひとつ積み上げながら成長を遂げている佐野。当初は逮捕報道で一部サポーターから佐野に対する批判的な横断幕が掲げられることもあった。今では背番号6の見事なボール奪取にスタジアム全体から歓声が上がるようになった。代表スタッフが視察に来たという話も聞こえており、ここからよりリーグの中で圧倒的な存在になることができれば、日本代表という舞台も再び近づいてくるはずだ。