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「藍にとって石川祐希とはどんな存在?」の問いに、高橋藍は何と答えた? 同郷の先輩・福澤達哉に明かした“激動の1年”と“日本代表への思い”
text by
藤森三奈(Number編集部)Mina Fujimori
photograph byAsami Enomoto
posted2024/11/22 17:01
人気動画シリーズ「Number Volleyball Night」で高橋藍から“元日本代表の名解説者”福澤達哉氏がインタビューで本音を聞き出した
高橋 はっきりイメージできていたかというと、できてはいなかったんですけど、もちろん日本代表に入ってオリンピックに出たいという目標はありました。高校卒業後にすぐに代表に入るとは思っていませんでした。大学に行ってレベルアップして代表に選ばれたいなと考えていたんです。だからびっくりしましたし、もう行くんだという感覚で、準備はできていませんでした。
高校3年生で優勝を経験して、高校生としての自信はあったのですが、代表に入るとレベルが変わってくるので、やっていけるか不安はありました。
福澤 私も洛南と東山の試合を見ていて、正直、藍が目立っていたかというと、そんなにインパクトはなかった印象なんです。上手い選手だとは思っていましたが。それが春高で優勝して一気に日本代表と進んで、スターダムを駆け上った。アンダーカテゴリーでもそんなに呼ばれていませんでしたよね。
高橋 まったく呼ばれませんでしたね。高校選抜に呼ばれたくらいです。
福澤 何でなん?というかんじですよね(笑)。東京五輪直前に代表に呼ばれて、自分としては、これで勝負してやろうというようなものはありましたか。
高橋 そこまで自信があったわけではありませんが、ディフェンスができるという部分をアピールしていきたいと思っていました。
石川祐希とはどんな存在か
福澤 このあとセリエAのこと、オリンピックやSVリーグについて聞いていきたいんですが、その前に、私が今日どうしても聞きたいことがあるんです。
高橋 なんですか。
福澤 藍にとって、石川祐希とはどんな存在ですか。
高橋 石川祐希とは……うーーん。そうですね……、やっぱり一人のバレーボール選手として、尊敬できる、信頼できる選手だと思います。セリエAで一緒に戦ってもいましたけど、コミュニケーションを取る中で、優しさも感じましたし、学ぶことは今でも多いです。
福澤 というのは建前で、本音で言ったら? 高校生の時は憧れの対象だったと思うけど、キャリアを重ねてきて、彼のポジショニングが変わってきてるんじゃないかと感じるから、この質問をしているわけなんです。
高橋 そうですね。今は石川選手は代表チームのキャプテンというポジションですけど、時代は動いていくもの……
福澤 (ニヤニヤ)
「俺にトス持ってこいや」も大事に
高橋 自分も一人の選手として、日本代表を引っ張っていく立ち位置になるのが重要だと思うので、石川選手に並んで超えていける選手になりたいと思っています。
福澤 今の日本代表の強みは、石川選手が築いてきた道というのがまずあって、彼の思いに引っ張られて進んできたところにある。今は、西田有志選手、高橋藍選手らそれぞれが独自のプレースタイルを確立しながら、プレーヤー象を築いているところが、世界と並ぶ要因だと思う。世界のトップレベルを見るとバケモン級の選手が何人もいますよね。ぜひ、「俺にトス持ってこいや、石川祐希じゃなくて」という気持ちも時には大事にしてほしい。
高橋 もちろんです。大事にしていきます。
【続きは動画で見る】髙橋藍選手のスターダムを駆け上ったこの4年の詳しい話、パリオリンピックイタリア戦の話などは、Number Volleyball Night 「髙橋藍×福澤達哉 藍選手にどうしても聞きたいこと」で。福澤さんとの楽しい掛け合いもお楽しみいただけます。