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ドラフト指名されなかった君へ「2度指名漏れから1位」ヤクルト・吉村貢司郎の金言…「悔しさを生かすも殺すも自分次第」「諦め悪いですね(笑)」 

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佐藤春佳

佐藤春佳Haruka Sato

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photograph byJIJI PRESS

posted2024/10/25 11:01

ドラフト指名されなかった君へ「2度指名漏れから1位」ヤクルト・吉村貢司郎の金言…「悔しさを生かすも殺すも自分次第」「諦め悪いですね(笑)」<Number Web> photograph by JIJI PRESS

“3度目の正直”で夢をかなえた吉村。だが意外にも指名の瞬間には食堂で食事をしていたとか

 仲良く指名漏れしたチームメートとは、「社会人に行って絶対にプロになろう!」と誓い合った。そうして吉村は社会人野球の名門・東芝に進み、一からピッチングと向き合う覚悟を決めた。右肩痛の影響で1年目はマウンドに上がる機会も少なかったが、その分リハビリやトレーニングの過程で体作りや投球フォームの改善に取り組むことができた。

「不安もあったけれど、やるしかない。もう二度と同じ怪我はしたくないとも思っていたので、投球フォームも色々と試行錯誤した中で“振り子”に辿り着きました」

 セットポジションから左足を振り子のように大きく振ってから投球動作に入る“振り子投法”。今シーズン途中まで吉村の代名詞だった投球フォームは、この時期に作られた。ストレートの平均球速は4、5km上がり、マウンドを重ねるごとに自信を身につけていった。

食堂でテレビを見守った2度目

 迎えた社会人2年目。2021年10月11日、2度目のドラフト会議は東芝の寮の食堂でチームメートと夕飯を食べながらテレビ中継を見守った。2年前より手応えはあった。期待と不安が入り混じる中、今度もまた自分の名前が呼ばれることはなかった。

「泣いたりとかは全然なかったです。チームメートも普通に『お疲れ』って。親が一番気にしていたかもしれないです。僕は全然気にしていなかったけれど、母親はプロという夢を心から応援してくれていたので……。すごく寄り添ってくれました」

 東芝の平馬淳監督(当時)からは「来年、ドラフト1位で行こう。絶対に行けるから、そこを目指してやっていこう」と背中を叩かれた。

「3年目が勝負。それ以降は多分難しいということもわかっていました。ドラフト1位で行く。そのために何をするべきなのか。とにかく結果を出さないといけないんだ、と」

【次ページ】 目標達成シートの中央に「ドラフト1位」

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