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「久保建英に疲労感が…」日本代表で2万6000キロ移動の強行日程も「韓国人FWとユニ交換」ソシエダで途中出場、現地カメラマンが見た表情
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph byDaisuke Nakashima
posted2024/10/24 17:02
ジローナ戦の久保建英。日本代表10月シリーズ終了後も戦いは続く
その際には、あえてトップスピードに乗ることはせず、足裏でボールを舐める様にドリブルをするなど、たっぷり時間をかけながら相手ゴール前まで到達している。角度のないところからのシュートは、枠を捉えることはできなかったが、確実に展開を終わらせることで、相手へカウンターの機会を与えないことまで考えられたプレーだった。
ただその直前のプレーでは、左足のアウトを使ったミドルパスが相手にカットされ、反撃の機会を与えてしまっていた。プレーが切れた際には、すかさずマルティン・スビメンディから「もっと時間を使ってくれ」というようなジェスチャーを受けており、直後のプレーで見事それを体現したというわけだった。
韓国人FWにユニホームを求められると…
終了の笛と共に膝に手をついた久保の疲労は、代表戦からくるものだけではなく、単純に、この1勝を勝ち取るため、それだけの奔走をしたということだったのかもしれない。
この日途中出場となったジローナの韓国人FWキム・ミンスからユニホームを求められた久保は、アンダーウエア姿で仲間たちと笑顔で勝利を讃えあい、また充実した疲労感を漂わせているように見えた。
ソシエダは、週中にマッカビ・テル・アビブとのアウェイでのELを戦い、週末にはオサスナ戦が待っている。ELではまだ勝利を上げることができておらず、是が非でも勝利が求められるが、復調の兆しが見える中、リーガでの連勝もホームでは求められる。過密日程が続く中で、久保の起用法にも注目が集まる。
翌朝とバルサ戦で目にした光景とは
翌朝、秋晴れのジローナの街を散策していると、太鼓や笛の音が聞こえてきた。
石畳の入り組んだ路地でマラソン大会が行われており、ちょうどスタートのタイミングに重なったようだ。
またエッフェル塔の建設者ギュスターヴ・エッフェルによって作られた、観光スポットであり、市の顔の一つでもある。
赤い鉄の橋には、誇らしげにチャンピオンズリーグの垂れ幕が掲げられていた。
またバルセロナに戻ったその日には、バルサ対セビージャ戦の撮影にも向かった。
バルサが5-1で圧勝した試合の中で、怪我で11カ月もの長期間離脱していたガビが復帰した。途中出場でピッチへ入る際には、ペドリからキャプテンマークを委ねられ、スタジアム全体からガビコールが鳴り響いた。
リーガ首位のバルサは、次節レアル・マドリーとのクラシコを迎える。9勝1敗のバルサに対し、2位のマドリーは、7勝3分と今季まだ無敗。今後の首位争いを占ううえで大きな決戦となる。