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「久保建英に疲労感が…」日本代表で2万6000キロ移動の強行日程も「韓国人FWとユニ交換」ソシエダで途中出場、現地カメラマンが見た表情
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph byDaisuke Nakashima
posted2024/10/24 17:02
ジローナ戦の久保建英。日本代表10月シリーズ終了後も戦いは続く
試合開始前とアップで久保はリラックスしていた
18時半のキックオフまで1時間以上あるアウェイチームのベンチには、この日のサブメンバーが各々リラックスした様子で座っていた。
その中には、ヘッドフォンを装着した久保の姿もあり、また早くスタジアムへ駆けつけていたサポーターからの呼びかけに、一緒に写真を撮るなどするリラックスした姿があった。また試合前のアップの際にも、サブメンバーの様子から、チーム状況の良さを感じさせるシーンが撮影できた。
試合が始まると、ホームチーム優勢の展開となった。
前線に入ったアルノー・ダンジュマのドリブルからの攻撃は特筆すべきもので、ソシエダ守備陣を慌てさせた。ただ辛抱強く攻撃を跳ね返し続ける中で、徐々にこの日ソシエダの前線に入ったオーリー・オスカルソンが決定機を迎えるなど攻勢を強めていった。
そして前半終了間際の44分、右サイドに入ったミケル・オヤルサバルがサイドからのクロスを倒れ込みながら頭で捉え、アウェイで貴重な先制点を奪うことに成功した。
後半に入り、1点を追いかけるホームチームが攻勢を強める。59分には、前線にベテランのクリスティアン・ストゥアーニとアヤックスより加入の19歳ガブリエル・ミセホウイを投入。
それに対してソシエダは、先制点をアシストしたアンデル・バレネチェアを59分に交代、直前に選手自身が指揮官へ話しかける姿があり、何らかのトラブルがあったとみられる。さらに指揮官イマノル・アルグアシルは、65分に久保を投入した。
その久保は、前線右サイドへポジションを取った。パスを引き出すと、縦への圧をかけつつもいつも程のアグレッシブなドリブルを仕掛けることはせず、相手との間合いを図り、身体を使ってボールをキープするように、ややもすると消極的とも見えるプレーの選択が多く見られた。
ただこれは1点のリードを得て、またここ数試合勝ちきれない試合が多かったチーム状況の中で、途中出場の選手として爪痕を残すことよりも、チームとして確実に勝ち点3を取るための判断によるものだったと思われる。また守備時には、フレッシュな選手として積極的に前線からプレスをかけ続けた。
久保の突破と“もっと時間を使ってくれ”
それでもジローナの攻撃への圧に押し込まれ、久保も自陣深くまで戻っての守備が求められる展開が続いた。その中でボールを奪うと、自陣から相手ゴール付近までボールを運び、単騎でチームへ時間とスペースを与える働きを見せた。
久保は最終盤にも、自陣で相手パスをカットしマークを3人引き連れた状態でシュートまで持ち込んでいる。