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バレーボールPRESSBACK NUMBER
「じつは破格1億円オファーを断っていた…」女子バレー古賀紗理那“まだできる”の声に本音「復帰は絶対にない」“28歳で引退決断”の真相
text by
田中夕子Yuko Tanaka
photograph byNaoki Nishimura/AFLO SPORT
posted2024/10/25 17:02
引退セレモニーでファンに最後の挨拶をした古賀紗理那(28歳)
引退セレモニーのひと月前、古賀の話を聞く機会に恵まれた。パリ五輪から続く忙しさもひと区切りがついた頃だったが、長年暮らした川崎から、夫・西田有志が在籍する大阪ブルテオンが拠点とする関西への引っ越しを控え、少し慌ただしかった。それでも古賀は笑みを浮かべていた。
「引退したから、今まで以上に“NGなし”なので。何でもしゃべりますよ」
パリ五輪を控えた7月9日に、自身の現役引退を発表。主将でエース、日本代表の中心であるだけでなく日本女子バレーをけん引する存在である古賀の決断に、驚きの声や「まだできる」という声が挙がった。だが、「ありがたいけど」と前置きした後、古賀はきっぱりと言い切る。
「結婚したから子どもが欲しいんじゃないか、だから引退するんだろうと言われることも多いですけど、そうではなくて。本当は東京(五輪)が終わって1シーズンやったらやめようと決めていたので、そこから気持ちを立て直してここまでやった自分を褒めたい。先のことは決まっていないですけど、違う環境に触れるのは楽しみだし、私の人生を楽しみたいと思っているんです」
とはいえ、一度だけ聞いてみた。でも続けるとなれば、もっとできるのではないか。古賀が即答した。
「できます。100%、やれる。むしろさらに成長速度を上げてもっとうまくなれる。それは絶対自信があるし、今までの生活で身体を整えて、プラスして違うことも取り入れればもっともっと成長すると思います」
そして、「もう過去の話だけど」と切り出した話に驚かされた。
「実はパリオリンピック後の1シーズン、トルコのワクフバンクに来ないか、とオファーがあったんです」
年俸1億円の破格オファーもお断り
世界最高峰のトルコリーグに属するワクフバンクはかつて木村沙織も在籍した世界のトッププレーヤーが集うトップクラブ。出された条件も破格だった。
「最初提示されたのは1億円。もう引退するから、と伝えたら『じゃあ、あと3000万〜4000万プラスするから来てくれないか』って。お金がすべてじゃないけど、それだけ評価してもらえることはありがたかったし、海外でのプレーに興味がなかったわけじゃない。もしも、(そのオファーが)1年前とか2年前だったら、行ったと思います。でも、もう辞めると決めた後だったので、私はできない、とお断りしました」