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「配信があって幸せだ」英国人記者は“異例の7大世界戦+那須川天心”をどう見た?「中谷、堤は見事だったが私の目を引いたのは…」 

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杉浦大介

杉浦大介Daisuke Sugiura

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2024/10/17 11:05

「配信があって幸せだ」英国人記者は“異例の7大世界戦+那須川天心”をどう見た?「中谷、堤は見事だったが私の目を引いたのは…」<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

ボクシング転向後、初めてベルト巻いた那須川天心/階級をあげて本来のキレを取り戻した寺地拳四朗/井上拓真を倒して新王者に輝いた堤聖也

 ただ、その点以外、これまでも示して来た那須川の長所にはアシロ戦でも感心させられました。コンビネーションは見事なまでに飛翔しますし、ジャブも上質。フットワークも優れていたように思います。このフットワークについてくる選手と対戦した際、前述したヘッドムーブメントの乏しさが問題になるのかもしれませんが、少なくとも現状では他にマイナス要因として指摘できるような部分は見当たりませんでした。

 ここまで見る限り、那須川はビッグパンチャーではないとしても、コンビネーションパンチには相手にダメージを与えるだけの威力があると見ます。最後まで激しく動き続けられるのを見ても、エンジン(=スタミナ)も優れているようです。戦いの場を12ラウンズのチャンピオンシップレベルに移しても、判定で多くの勝ち星を得られるでしょう。

 井上尚弥の弟、拓真が証明した通り、強打者ではなくとも世界の舞台でハイレベルに戦うことは可能です。那須川は優れた才能を持ったサウスポーであり、今後もコンビネーションパンチャーとして成長していくのではないでしょうか。

慎重なマッチメイクが必要かもしれない

 その一方で、ディフェンスにはやや不安があり、アシロ戦でも被弾はありました。まだ26歳と若く、伸びしろは豊富に残っているでしょうから、ボクサーとして成熟するまでは慎重なマッチメイクが必要かもしれません。具体的には、もうしばらくは強打者との対戦は避けた方がいいでしょう。世界王者になれるかどうかは相手次第のところがありますが、順調に向上しているのは間違いなく、2026年くらいまでには世界レベルで戦う準備が整うのではないかと思います。

【次ページ】 2日間で英国人記者の目を最も引いたのは…

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