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オリンピックへの道BACK NUMBER
世界ランク「624位→7位」にビックリ…中国3選手から勝利、張本美和16歳の序列はなぜ急上昇?「ここまで力をつけるとは…予想外でした」監督の証言
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byJIJI PRESS
posted2024/10/15 11:01
団体、個人戦ともに大きな活躍を見せた張本美和(16歳)
翌年いきなり19位…日本選手のなかでも“急上昇した序列”
成長の速度は緩まない。
2023年に入ると、2月から3月にかけて行われたWTTスターコンテンダーゴアで石川佳純、銭天一(中国)など強豪を倒して勝ち上がる。準決勝で王芸迪に敗れたものの、2-3と競り合ってみせた。
4月のWTTフィーダーアンタルヤでシニア国際大会のシングルス初優勝を飾ると、6月のWTTコンテンダーチュニスでも優勝。同月の世界ランキングでは初の20位以内となる19位になり、日本勢でも伊藤美誠、早田ひな、木原に次ぐ4番手となった。
9月のアジア大会では団体戦に4試合出場、銀メダル獲得に貢献すると木原との女子ダブルスでは準々決勝で2019、2021年世界選手権を連覇している孫穎莎・王曼昱から勝利をあげて銅メダルを獲得。
年末のWTT女子ファイナルズでは、孫頴莎と2-3のフルゲームを演じたことも脚光を浴びた。
日本代表監督「ここまで力をつけるとは…予想外でした」
また、23年5月、パリ五輪シングルス代表選考大会「全農カップ平塚大会」では早田に敗れたものの準優勝を果たすなど五輪選考レースでも台頭。その成長ぶりに、「あと1年あれば……」という声も聞かれた。
その言葉は、張本の将来性を高く評価するとともに、2024年1月で終了する選考レースには間に合わないと多くの人が見ていたことを意味している。
だが、覆した。2024年1月、選考対象の最後の大会となった全日本選手権で準優勝、選考ポイントで4番手につけて終えると、シングルス、ダブルスの双方での活躍が期待されるとして、団体戦のメンバーとしてパリ五輪代表入りを果たした。
選考の発表前に、日本女子代表の渡辺武弘監督は張本についてこう評している。
「ほんとうに予想外でした。昨年の途中から力をつけてきて、ここまで力をつけてくるとは。国際大会もたくさん出て、成績も上がってきて、ほんとうにすごいなと思っていました」
選考ポイントでは4番手でも、成績とパフォーマンスでもって地力と可能性を示したことが代表選出につながったのである。