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張本美和16歳に“敗れた中国エース”が思わず本音「実力も理解力も大きく向上している」女子卓球、50年ぶり“中国撃破”はなぜ生まれたか?

posted2024/10/12 17:01

 
張本美和16歳に“敗れた中国エース”が思わず本音「実力も理解力も大きく向上している」女子卓球、50年ぶり“中国撃破”はなぜ生まれたか?<Number Web> photograph by Getty Images

アジア選手権での“中国撃破”の立役者となった張本美和(16歳)

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松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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 卓球のアジア選手権で快挙が生まれた。

 10月9日、女子団体決勝で日本は中国と対戦。3-1で破り優勝した。中国を破ったのは1974年に横浜で行われた大会以来、実に50年ぶりのことだ。

 決勝ではまず張本美和と王藝迪が対戦。フルゲーム、3-2と張本が勝利する。第2試合では伊藤美誠が世界ランキング1位の孫頴莎に敗れたものの、第3試合で平野美宇が陳幸同に勝利し、2-1とリードする。

 ここで張本が再び登場する。相手は孫頴莎。第1、第2ゲームは孫頴莎が奪うが、張本はそれに動じない。第3ゲーム以降、慌てることなく落ち着いたプレーで孫頴莎を上回り、11-8、11-7、11-6と3ゲームを連取して0-2から逆転し3-2。7度目の対戦で孫頴莎からあげた初めての勝利は、チームに優勝をもたらす貴重な1勝となった。

中国エースの本音「美和は実力が大きく向上している」

 萌芽はあった。アジア選手権に先立ち、9月14日のWTTチャンピオンズマカオ準決勝でも張本と孫頴莎は対戦している。このときも張本は2-4と食い下がり、接戦を演じた。

「楽しくて、試合がずっと続けばいいのにと思ったほどです」

 試合後の言葉は、試合内容に手ごたえがあったであろうことを示していた。

 一方の孫頴莎は張本についてこのように話している。

「美和はこの数年、全体的な実力も、試合を理解する力も大きく向上していると思います。美和はスタミナがあり、終盤は体力的に少しきつい感じがありました」

【次ページ】 世界ランク624位→7位の大躍進

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