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「え、名前変えちゃうの?」男子バレー人気チーム“異例の改名”に選手の本音は…SVリーグ初代王者の座を狙う「大阪ブルテオン」の野望
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph byTakuya Sugiyama
posted2024/10/10 17:30
SVリーグ初代王者の座を狙う大阪ブルテオン。開幕戦では高橋藍を擁するサントリーサンバーズ大阪と対戦する
そうした説明を聞き、選手たちも、チームがさらに発展するための決断だと理解した。山内は言う。
「自分たちはプレーするのが役割ですけど、やっぱりそうして考えてくれるフロントや運営スタッフなど、サポートしてくれる人がいないことにはこういう環境でバレーボールはできないので、その決断に対しては誰も文句はなかった。自分の中で納得しています。
そう変わるんだったら、よりいろんな場所で自分たちを知ってもらおうという意識になった。例えば以前から出ている吉本新喜劇もそうですが、自分たちのフィールドじゃないところにも力を入れて、より多くの人に知ってもらおうとか、より選手やチームの魅力が伝われば面白いのかなと思っています」
チーム名は400〜500もの候補から絞り込み、選手の投票も反映した結果、“ブルテオン”に決まった。パナソニックパンサーズのチームカラーだった“青”を踏襲し、未来永劫という意味を掛け合わせた造語で、どことも被らないオリジナルのチーム名だ。
「世界一のリーグ」に必要な「世界一のクラブ」
9月22日にファンの前で行われた新体制発表会で、久保田代表は「バレーボールは他の競技に比べて本当に世界一が狙える。そして、それを一番目指せるのがブルテオンだと私は信じています」と宣言した。
現時点でバレーボールは、男子ではイタリアやポーランドのリーグが世界最高峰だと言われるが、バスケットボールのNBAやサッカーの欧州リーグに比べれば、手が届かない存在ではない。それを踏まえてSVリーグも「世界一のリーグ」を目標に掲げているが、久保田代表は昨季、イタリアを視察してその事実を再確認したという。
「サッカーのインテル対ACミランの、インテルが優勝を決めた試合を観戦したのですが、これはすごいなと。『このレベルは直ぐには無理』と思いました(苦笑)。でもバレーのセリエAのプレーオフを観に行くと、確かに応援はすごかったんですが、これは届かない場所ではない、これなら十分やれるなと感じました。アジアでの盛り上がりも肌で感じているので、それもマーケットとして見れば間違いなく世界のトップに、今ならなれる。
もたもたしていたら、どこかの国が力を入れて、追いつけないぐらいになってしまうかもしれない。アメリカにも女子のプロリーグができていますから。もともとアメリカは、大学の試合に観客が何万人も入っているぐらいなので、そうした国が本気でバレーに向き合ったら、一気にトップに行く可能性もある。でも今なら、本当に日本が世界一になれるんです」
SVリーグの中でも、「世界一を一番目指せるクラブがブルテオン」だと自負する。
「偉そうに聞こえるかもしれませんが、使命感というか、『俺たちがやらなきゃいけない』という思いがあります」