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「申し訳ないが、誰も取材に出てこないと思う」ミス、ミス、ミス…4失点完敗の低調ブライトン。その45分後、それでも三笘薫が番記者に語った言葉 

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田嶋コウスケ

田嶋コウスケKosuke Tajima

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posted2024/10/04 17:44

「申し訳ないが、誰も取材に出てこないと思う」ミス、ミス、ミス…4失点完敗の低調ブライトン。その45分後、それでも三笘薫が番記者に語った言葉<Number Web> photograph by Getty Images

ブライトン三笘薫27歳。ケガから復帰した今季、リーグ戦ではここまで全6試合で先発出場している

 例えば、不可解な判定に泣き、1−2で敗れたトッテナム戦(23年4月)。この試合で三笘はネットを揺らしたが、VARによりハンドと判定された。肩に当たったようにも見えたプレーがハンドになり、さらにPKが見逃された場面もあるなど、この試合は判定基準が曖昧で後味がかなり悪かった。だがこの時も三笘は取材エリアに顔を出し、記者の質問に真摯に答えた。

 それだけではない。1−6で完敗したアストンビラ戦(23年9月)や、0−2で力負けしたアーセナル戦(23年12月)でも、三笘は記者の前に立って自身の考えを述べてきた。

 もちろん記者団も、敗戦後は配慮を持って接している。私を含めた記者団は必要最低限のことを聞き、手短に質疑応答を終わらせる。そうすることで「選手と記者」という一定の緊張感を保ちながらも、三笘と適切な関係を築いてきたように思う。

 振り返れば、三笘はJ1の川崎フロンターレでプロ選手としてキャリアをスタートした。メディア対応に積極的なフロンターレ時代の教えを今も守っているように見えるが、彼の真面目な性格もそうさせている要因なのだろう。

 特に近年、選手はSNSやYouTube、有料サイトなどを利用することで、自身の言葉をファンやサポーターに直接伝えることができるようになった。選手の発信方法が多様化し、メディアのあり方も問われる中、三笘のように真摯にメディア対応してくれる選手は貴重な存在なのである。

45分後、三笘が取材エリアにきた

 その三笘がチェルシーの選手通用口から姿を現したのは、試合終了から45分が経過した頃だった。三笘の姿を見つけたので、記者陣は「こちらにいます」と手を上げる。すると、日本代表はピッチサイドの取材エリアにやってきた。

「お疲れ様です。ありがとうございます」と伝えてから「厳しい試合になりましたね」と聞くと、三笘は「負けが妥当な試合ですね」と一言。別の記者が「試合の出だしは良かった。そこからミスが増え、流れを持っていかれた」と質問を重ねると、27歳のアタッカーは次のように答えた。

【次ページ】 三笘が番記者に語ったこと

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