酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
「オオタニよりリンドーア推し」NYメディアを黙らせた大谷翔平“MVP最重要成績”はDH一刀流でもダントツ…得るだろう「奇想天外な称号」とは
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byNanae Suzuki
posted2024/10/05 17:20
「54-59」、あと一歩で三冠王。打者専念かつドジャース1年目のシーズンに大谷翔平が見せた野手としての力は飛び抜けたものだった
本来、DHはWARの数字がなかなか上がらないとされるが、そんな中で大谷のWARは、ナ・リーグでは断トツの1位、ものすごく価値が高いといえるだろう。
過去のDH専業の選手は、それでも数試合は守備に就くことが多かった。しかし今年の大谷は、ただの1試合も守りに就いていない。野球は打って守って投げるスポーツだとされる中、今年の大谷翔平は「1試合もグラウンドで守りに就くことなく、グローブを手にすることもなく、バットを振って走るだけで、ナショナル・リーグ全選手の頂点に立った選手」という、奇想天外な称号を新たに得ることになるのではないか。
DH専業にして盗塁成功率93.7%の凄まじさ
来季、大谷は投手として復帰する。「DH専業」は、今年限りとなる。50-50も含めて、打者としては、もうこれほどまでにすごいシーズンは二度とないだろう。
ある意味で今年の大谷翔平は「打者としての頂点」を極めたのではないか。それは打撃だけでなく走塁――59盗塁成功、そして「93.7%」の凄まじい盗塁成功率を徹底的に分析すると、見えてくるものがある。〈つづく〉