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「オオタニよりリンドーア推し」NYメディアを黙らせた大谷翔平“MVP最重要成績”はDH一刀流でもダントツ…得るだろう「奇想天外な称号」とは 

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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posted2024/10/05 17:20

「オオタニよりリンドーア推し」NYメディアを黙らせた大谷翔平“MVP最重要成績”はDH一刀流でもダントツ…得るだろう「奇想天外な称号」とは<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

「54-59」、あと一歩で三冠王。打者専念かつドジャース1年目のシーズンに大谷翔平が見せた野手としての力は飛び抜けたものだった

 昨年のア・リーグは大谷が投手として10勝、打者として本塁打王、3割をマークしrWAR、fWARともダントツの1位となり記者投票でも1位票満票でMVPに選ばれている。fWARの内訳をみると打者で6.5、投手で2.4のポイントを稼いだ。

 なお、ア・リーグではヤンキースのゲリット・コール(投:15勝4敗 率2.63)がrWAR7.4 / fWAR5.4だったが、30ポイントしか票が入らなかった。それでもコールはサイ・ヤング賞を受賞している。

 ナ・リーグはブレーブスのアクーニャJr.が1位票満票で受賞。史上5人目の「40-40」を記録している。今年になって大谷の同僚になったベッツとフリーマンはともにMVP受賞者だが、昨年も2位、3位につけていた。

「二刀流ではない」今季もなぜ議論が起きたか

 2021年もそうだが、大谷がMVPを受賞すると「投打合わせ技は、大谷しかできない。このまま二刀流を続ければ、MVPはずっと大谷が受賞することになるのじゃないか」という議論があった。異例のことだけにアメリカのメディアも戸惑っているのは確かだ。

 さて今季のMVP争いだが、ドジャースに移った大谷は今年に限って「二刀流」ではない。だからスッキリした話になるかと思いきや、実はそうはなっていない。

 今季のナショナル・リーグのWARのランキングを見てみよう。カッコ内はリーグ順位、rWAR / fWAR両指標の5位までの選手。

・大谷翔平(ドジャース)指名打者
 rWAR9.2(1)/ fWAR9.1(1)
 打:54本130点59盗 率.310

・マット・チャプマン(ジャイアンツ)三塁手
 rWAR7.1(2)/ fWAR5.5(5)
 打:27本78点15盗 率.247
・フランシスコ・リンドーア(メッツ)遊撃手
 rWAR7.0(3)/ fWAR7.6(2)
 打:33本91点29盗 率.273
・ケテル・マルテ(ダイヤモンドバックス)二塁手
 rWAR6.8(4)/ fWAR6.3(4)
 打:36本95点7盗 率.292
・エリー・デ・ラ・クルーズ(レッズ)遊撃手
 rWAR5.2(5)/ fWAR6.4(3)
 打:25本76点67盗 率.259

 

 少し前まで大谷のfWARは2位だったが、9月の大爆発でrWAR、 fWARともに1位になった。ジャイアンツの三塁手チャップマンがrWARで2位、メッツの両打の遊撃手リンドーアがfWARで2位だ。

NYメディアの「オオタニよりリンドーア」を黙らせた

 夏ごろにメッツの地元、ニューヨークのメディアなどは「大谷は1試合でプレーするのは合わせて十数分、リンドーアは守って打って、フルで活躍している。MVPはリンドーアだ」と主張していた。しかし9月後半からの大谷が見せた、エゲつないと評してもいいストリークで、こうした見方は影をひそめてしまったのではないか。

【次ページ】 「DHで初受賞」に少し違和感があるワケ

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