ドジャースのチーム盗塁数は121、ナ・リーグの中で6番目だから、チームとして盗塁をそれほど重要な戦術としているとは言えない。その中で大谷だけがタイトルさえ狙えるほどに走っている形だ。

三盗を決める大谷　©︎Nanae Suzuki

本塁打と盗塁の両方で全米2位という快挙

　大谷の成績は、米大リーグ30球団の中で見ると、本塁打ではアーロン・ジャッジの53本塁打に次いで2位、盗塁ではエリー・デラクルーズの64盗塁に次いで2位となっている。3位の選手とはある程度の差がついており、大谷が両方で2位になる可能性大だ。米大リーグの歴史上で、本塁打と盗塁で、同じ年に2位以内を記録した選手は、1908年のホーナス・ワグナーと、1909年のタイ・カッブだけだ。ワグナーは10本塁打、53盗塁、カッブは9本塁打、76盗塁だった。いずれも、本塁打王が10本前後だった時代の話だ。近年の米大リーグでは、本塁打と盗塁の両方で、トップの座を争っているという大谷の成績が、いかにまれなことであるか、よく分かる。

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