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【数字で比べる】大谷翔平が他の“40-40クラブ”選手とは違うところ…群を抜く「盗塁成功率」と注目したい「併殺打」の数

2024/09/27
左からアルフォンソ・ソリアーノ(2006)、ロナルド・アクーニャJr.(2023)、大谷翔平(2024)
パワーとスピードを兼ね備えた超一流選手の証である40-40クラブ。今季の大谷を含め、これまでに6人の選手が偉業を達成してきた。その成績を比較することで、ある傑出した数字が浮かび上がる。(原題:[2024年大谷の傑出度]数字で比べる40-40クラブ)

 2024年の大谷翔平が、レギュラーシーズンを戦い抜いた時点でどのような成績を収めるか、まだ分からないが、はっきりしているのは、米大リーグの歴史上で、かつてなかった成績になる、ということだ。日本時間の9月20日、チーム153試合目という時点で、打率.294、51本塁打、120打点、51盗塁だ(以下記録の日付はすべて同様)。歴代で初めての50本塁打、50盗塁は153試合目において達成され大いに祝福された。

盗塁成功率92.7%はきわめて優れた成績。

 大谷にとって'24年は、打者に専念するということが開幕前から分かっていた年だった。打者に専念するというのは初めてではない。大谷が最初に右ひじを手術したのは米大リーグ1年目、'18年10月のことで、'19年は打者だけの出場だった。成績は106試合、打率.286、18本塁打、62打点、12盗塁だった。つまり打者に専念するのは5年ぶりだったわけだが、前回の打者専念の年と、'24年の成績を比べれば、大谷という選手が、いかに大きく成長したか、目を見張らざるをえない。

ホセ・カンセコ(1988) Getty Images
ホセ・カンセコ(1988) Getty Images

 '23年までの成績と比べて、際立って向上したのは盗塁だ。開幕から55回走って成功が51、アウトになったのは4回だけだ。成功率92.7%は、歴代の40本塁打、40盗塁を達成した6人の中で、最高の成功率だ。過去の最高は1996年に42本塁打、40盗塁だったときのバリー・ボンズで、成功率は85.1%だった。

 米大リーグでは'23年からベースの大きさが一辺あたり7.6cm大きくなり、けん制球は2度まで、3度目はアウトにしなければボークになるというルールの改正があったことで、改正前より盗塁を決めやすくなったことは事実だ。ただ'23年に41本塁打、73盗塁を記録したロナルド・アクーニャJr.の成功率が83.9%だったことを考えると、大谷の成功率92.7%は、ルール改正以降でもきわめて優れた成績だ。

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photograph by Getty Images / Nanae Suzuki

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