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「あれだけの大物が進塁打を…」大谷翔平の「54-59」を支えたムーキー・ベッツの献身…プレーオフ突破へ「心配事が多い」ドジャースのキーマンは?
text by
五十嵐亮太Ryota Igarashi
photograph byGetty Images
posted2024/10/03 11:02
高いレベルのプレーでドジャース打撃陣を牽引した大谷とベッツ
「心配事が多い」ドジャースの実情
大谷にとっては初のポストシーズンになりますが、誰より強く望み、ドジャースに移籍する際の大きな理由でもあった夢を叶えて挑む舞台です。昨年のWBCにしても短期決戦で結果を残してきた選手ですから、そこに関しては全く心配ないし、ついつい、もの凄い活躍というのを期待してしまいますよね。
ただドジャースとしては心配事が多い。投手陣に怪我人が多く、エース右腕のタイラー・グラスノーを欠き、通算212勝左腕のクレイトン・カーショーも左足親指を痛めて離脱中と左右の柱が欠けた戦いを強いられる可能性が高い。故障明けの大谷が投手として投げることはないですが、少し前にデーブ・ロバーツ監督がそのわずかな望みを思わず口にしてしまうくらい、やりくりが厳しいというのが実情です。
山本由伸の役割
となると、投手陣のキーマンは自ずと山本由伸ということになる。肩の腱板を痛めていたので、損傷具合によって今シーズンは難しいのかなというくらい心配していましたが、復帰した9月10日カブス戦では圧巻の投球で、徐々に球数を増やしながら順調なピッチングを続けています。中5日の登板間隔を続けてのぞんだ28日のロッキーズ戦では復帰後初白星。プレーオフに向けても万全であることを示しました。
ポストシーズンの戦い方としては、先発投手が登板間隔を詰めたり、先発で投げた後にリリーフに回ったりということもあり得る。故障明けの山本がそこを任されるかどうかは慎重な判断になると思いますが、彼がやってくれないと厳しいほどの状況ではあります。
ドジャースは打ち勝つしかない。投手陣が不安定なら取られたら取り返す野球をするしかないですよね。そうなった場合、やはり大谷翔平がどのくらいやるのか、というところになるわけです。これは大袈裟でも何でもなく、ドジャースのポストシーズンのキーマンは「2人の日本人選手」です。日本の野球ファンにとっても、かつてないほど熱いポストシーズンになることは間違いないはずです。
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