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ヤクルト青木宣親が、じつは尾崎世界観に明かしていた“引退のこと”「青木さんが引退するとき、一体自分はどうなってしまうのだろう…」 

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青木宣親×尾崎世界観

青木宣親×尾崎世界観Norichika Aaoki & Sekaikan Ozaki

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photograph byMiki Fukano

posted2024/10/01 11:13

ヤクルト青木宣親が、じつは尾崎世界観に明かしていた“引退のこと”「青木さんが引退するとき、一体自分はどうなってしまうのだろう…」<Number Web> photograph by Miki Fukano

今季限りでの現役引退を発表した青木宣親。著書『青木世界観』の中で、親交の深いミュージシャン尾崎世界観に“引退”について明かしていた

 物心ついた頃には野球をやっていた、という感じでしたけど、捕ったり投げたりするのが楽しくて、大抵のことはすぐできるようになりました。運動神経はいい方でしたし、小さい頃からずっと足は速かったですね。他のスポーツは小学6年生から中学に上がるまで3カ月間くらいバスケットボールとラグビーをやっていたくらいかな。当時は「スラムダンク」が流行っていて、遊びの延長でちょっと入った。ラグビーはうちの兄貴がやっていたので、真似してちょっとかじったという感じでした。

 それでもバスケットボールで他の小学校との試合にも出た記憶があります。試合になるとなかなか点数って取れなくて、難しさを感じてそのまま終わってしまいました。僕らが子供の頃は今みたいに情報もなくて、身近にあるスポーツといえば野球くらい。ちょうどJリーグができた頃だったから、サッカーもやっていた子が増えてきたという感じだったかな。バスケとかラグビーはそれこそ漫画の中か、時々テレビで中継があるくらいで情報はあまりなかった。今みたいに多様な選択肢はない時代でした。

印象的だったイチローさん、松井さん

 育ったのは本当にのどかなところで、海、山、川と全部ありますし、夏休みは毎日のように海に飛び込んでいました。本当に野生児ですよね。他にやることといってもそれこそ「スラムダンク」を見たり、誕生日プレゼントに買ってもらったスーパーファミコンをするくらい。今でもそうなんですけど、宮崎はテレビのチャンネルが少ないんです。プロ野球の中継はジャイアンツ戦がほとんどです。小さい頃ファンだったチームや選手もいませんでした。イチローさんや松井さんが出始めた頃だったので、その姿は印象的でした。二人を見て僕も左打ちにしたんです。足も速かったから、それを活かせると思って。結果的にはそれが良かったですね。

  ただ、周りにはプロ野球のキャンプ地がたくさんあるので、そういう意味でプロ野球選手は身近な存在でした。地元の日向市にあるお倉ヶ浜総合公園野球場では近鉄バファローズが春のキャンプをやっていたんです。当時の近鉄はそこまで人気がなかったので、ファンもほとんどいないんです。地元の人もそんなに見に来ていないので、ほぼ独占状態でめちゃくちゃ近くで練習を見ることができました。

 主軸を打っていた(ラルフ・)ブライアントに抱っこされたことも覚えています。僕はその時ちょうど、生え替わりで歯が抜けていて、ブライアントが僕の歯を指さして「E.T.! E.T.!」っておどけてたなあ。映画の「E.T.」って人差し指を合わせるシーンがあるじゃないですか。あれを真似して僕の歯に向けてね。あとはエースの阿波野(秀幸)さんにサインをもらったり、村上隆行さんにも話しかけました。

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