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「怖すぎて、むっちゃ気持ち悪くなりました」仰木彬と星野仙一…教え子が明かす質の違う“恐怖体験”「星野さんの暴れ方は、そりゃすごかった」
text by
中村計Kei Nakamura
photograph byNaoya Sanuki / Kazuhito Yamada
posted2024/09/28 17:01
近鉄時代の仰木彬監督(左)と中日時代の星野仙一監督
「自分の中で、怖いといえばダントツで星野さんですね。他の監督が怖いといっても星野さん以上の人はいないと思います」
中村が初めて怖さを体感したのは1987年、星野が監督に就任した年のオープン戦のときだった。自動販売機でタバコを買おうとしていると、星野と鉢合わせした。すでに成人になっていたので問題はないのだが、咄嗟に「先輩に頼まれました」と嘘をついた。だが星野の目はごまかせなかった。「その先輩を呼んでこい」と問い詰められ、自分が吸うのだと白状した。すると間髪入れず、星野の右手が飛んできた。
「もうグーだったか、パーだったかは覚えてないんですけど、10発ぐらい殴られたと思います。『俺は嘘をつくやつは絶対に許さん!』って。そっから、この人の前では絶対に嘘はつかんとこうと思いましたね」
「監督の目を見てたら吸い込まれてしまった」
星野は試合後、不甲斐ないプレーをした選手を監督室に呼び、たびたび活を入れた。ときに鉄拳制裁も厭わなかった。中村が思い出す。
「一度、ピッチャーの上原(晃)と2人で監督室に呼ばれたことがあるんです。そうしたら、上原がいきなり過呼吸で倒れちゃって。本人は『監督の目を見てたら吸い込まれてしまった』と言っていました」
星野には発する空気感だけで相手を飲み込んでしまうような圧倒的な存在感があった。
中村いわく星野の怒りは2段階あったという。
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