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進路調査で「就職、サウサンプトン」“プロなんて考えられなかった”少年がプレミアを目指すまで…スカウトも驚く高岡伶颯(17歳)の才能とは
text by
杉園昌之Masayuki Sugizono
photograph byRyo Kawagoe
posted2024/09/16 17:00
宮崎の日章学園高3年生の高岡伶颯。来春よりサウサンプトンへの加入が内定している
地元の町立三股中学のサッカー部でも「日本一になれるやろ」と思っていたが、九州中学校U-14大会3位が最高成績。個人としても全国的に無名だった。取材時に日本高校選抜の練習着をさらりと着ていた高岡は、つい3年前の日々を懐かしむ。
「サッカーは大好きでしたが、プロを目指すなんて考えられなかったです」
意識がガラリと変化したのは、全国大会の常連である日章学園の門をくぐり、1年目の夏を迎える前だ。インターハイ県予選の決勝前にベンチ入りメンバーから漏れ、悔しさを噛み殺しながら己を見つめ直した。
「何か変わらんといけんなって。本当に目覚めたのはあのときです。楽しむだけではなく、下手なりに泥臭く戦わないと。その初心をずっと忘れずにやってきたことが、そこからの成長につながったと思います」
前線でしゃにむにプレスを掛け続けていると、持って生まれたアスリートとしての能力が一気に引き出された。
「ボールを追いかけ回していたら、自然と足が速くなっていました。中学校まではそうでもなかったんですけど……」
スカウトも目を丸くした“爆発的な初速”
秋に迎えた高校選手権の県予選決勝ではその走力を生かし、後半から途中出場してハットトリックを達成。その情報を聞きつけ、九州まで足を運んだJ1クラブのスカウトは気迫のにじむプレス、爆発的な初速、驚異の跳躍力に目を丸くした。165cmの小さなストライカーの才能は本物だった。
高岡は1年生ながらプロのキャンプに呼ばれ、レベルの高い環境で刺激を受けると、さらに進化を遂げていく。'23年3月には縁のなかったU-17日本代表に初招集。森山佳郎監督(現ベガルタ仙台監督)には「Jユースの選手にはない、ギラギラしたものがある」とメンタルの強さを絶賛された。すぐに年代別代表に定着し、6月のAFC U17アジアカップにも出場した。
ただ、本人は納得していなかった。出場時間は少なく、結果も1点のみ。物足りなかったのだ。帰国後、自らに言い聞かせた。
「自分は体が一番小さい。世界で活躍するにはフィジカル面を強化しないといけない」
ここから準備が始まった。
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