甲子園の風BACK NUMBER
夏の甲子園では志半ばで終戦…悩める“絶対王者”大阪桐蔭の主砲が日本代表で見せた「強打のプライド」木製バットも「とにかく強く振ろうと」
text by
沢井史Fumi Sawai
photograph byShigeki Yamamoto
posted2024/09/06 06:00
甲子園では2回戦で敗れた大阪桐蔭の主砲・徳丸快晴。U18日本代表では心機一転、活躍を見せている
大阪桐蔭の西谷浩一監督は、過去に13年、15年とU18日本代表監督を務めている。国際舞台の経験が豊富な恩師からも幾つかのアドバイスを受けた。
「日本の審判との(ストライクゾーンなどの)違いとか、ボールとか。あとドーピングのことも聞きました。特に審判は『日本のようにはいかないぞ』と言われました。
でも一番気にしていたのは木のバットのことですね。とにかくしっかり振ることが大事だと。今はいい形で出ているので、西谷先生からの言葉が活かせていると思います」
スリランカ戦でランニングホームラン!
そんな中、スリランカ戦で4回に飛び出したのが、チーム初の本塁打となる左中間を破るランニングホームランだった。序盤は全体的にスリランカのピッチャーの緩い球にやや苦しむ場面も見られたが、徳丸の一撃から打線が活気づき、この回に一気に6点をもぎ取った。
「しっかり左投手に対してタメを作って逆方向に打てたのはよかったです。ここまで2試合で3安打ずつ打てているのはいいのですが、最後の打席(遊ゴロ)がもったいなかったので、ああいう打席をなくせるようにしていきたいです」
スリランカに勝って2連勝したこの日、スーパーラウンドへの進出が決定した。
スーパーラウンドでは別組の台湾や韓国と戦う。実は香港戦を終えたあとに天母球場では台湾と韓国の一戦が行われ、チーム全員でスタンドから試合を観戦した。
台湾の先発投手は最速153キロをマークし、韓国の左腕も140キロ台後半の速球をコンスタントに投げ込むなど、ハイレベルな投手戦が繰り広げられた(試合は台湾が1-0で勝利)。