甲子園の風BACK NUMBER
夏の甲子園では志半ばで終戦…悩める“絶対王者”大阪桐蔭の主砲が日本代表で見せた「強打のプライド」木製バットも「とにかく強く振ろうと」
posted2024/09/06 06:00
text by
沢井史Fumi Sawai
photograph by
Shigeki Yamamoto
初戦の香港戦は4打数3安打4打点。
2戦目のスリランカ戦でも4打数3安打4打点。ランニングホームランも1本放つなど、徳丸快晴(大阪桐蔭)がU18日本代表のアジア選手権で主軸打者らしい躍動を見せている。
「今までずっと金属(低反発バット)でやってきた中で木製バットに変わったので、最初はあまりうまくいかなかったんです。でも、今はそういう感触もなくなってきたというか。逆に木だからこそ、しっかり振っていこうという意識が強いです」
夏の甲子園の2回戦・小松大谷に敗れた後、数日間の休養ののち、日本代表内定の可能性を受けて自校のグラウンドで練習を再開した。もちろん手にしたのは木製バットだ。
「まずは木製バットで振っていって(下級生の新チームに混じって)バッティングにも入れさせてもらいました。金属だったら変化球をうまく落とされても当てれば何とかヒットになることもあるんですけれど、木製バットになるとそうはいかないので……。とにかく強く振っていくようにしています。夏の甲子園では早く負けてしまいましたし、日本代表は選ばれた者しかプレーできないので、やってやるしかない、という思いで練習してきました」
最後の甲子園は7打数無安打
2回戦で去った甲子園での悔いは今でも心に残る。
良い当たりはあったものの、2試合で計7打数無安打。中軸打者として期待されながら快音を響かせることができなかった。
それだけに「自分の能力を発揮できる舞台にまた立てる」という喜びと「やってやろう」という強い覚悟が打席に立つたびににじんでいるようにも見えた。