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ドイツで絶賛「モモコは惑星で最高峰」なでしこ19歳谷川萌々子は何がスゴい?「えっ、そうですか!」天才少女説や30m弾より“笑顔になった質問”
text by
茂野聡士Satoshi Shigeno
photograph byAFLO
posted2024/09/01 11:08
パリ五輪後、ローゼンゴードの試合に出場する谷川萌々子。スウェーデンの地で、その実力を育んでいる
谷川は可変する〈3-4-3〉システムの中盤センターを担っている。キャプテンを務めるセーゲルという選手のフォローもあって、決定機をことごとく生かしてきた。
「『前でどんどん自分の良さを出してきていいよ』と言ってくれるので、すごくやりやすさがあります。自分の特長であるシュートレンジの広さという意味では、中盤の少し前でプレーするのがいいのかなと思いつつも、アンカーでボールを供給するのも好きです。だから与えられたポジションで自分がやるべきことをやろうと常に思っています」
谷川の表情が最もほころんだ質問は…
中盤の万能型プレーヤーを理想像にしている谷川が、このインタビュー中で一番笑顔になった瞬間がある。パリ五輪での活躍や〈水族館でもボールに触れていた〉など天才的な小学生時代のエピソード、そしてバイエルン加入からのスウェーデンでの日々ではない。
谷川のゴールシーンを映像で確認すると、ミドルシュートからペナルティエリアへ入り込む一撃など、バリエーションの多さが目を引く。それもあって、この質問を投げかけた時だった。
〈谷川選手のゴールに向かう姿勢は、ジュード・ベリンガムを想起させるようなところがあると感じるのですが?〉
「えっ、そうですか!」
朗らかな反応後の答えは、こうだった。
「シュートのイメージを持ちたいときは、今挙げてくださったベリンガム、そしてケビン・デブライネだったり、フィル・フォデンといった選手のシュート映像を見ているんです!
ゲームコントロールもそうです。子供の頃はシャビやブスケッツ、女子だったらバルサ女子で6番の位置をやっているボンマティをよく見ています。自分自身、そういった動画を見ているのが本当に好きなので……」
様々なワールドクラスのストロングポイントをトレースして、自らのものにしようとする。
サッカー少女時代から変わらない向上心は、谷川の成長を支える土台となっている。
とはいえ、足りない部分が多いことは自覚している
とはいえ、パリ五輪は開幕前の足首の負傷、さらには大会中のコンディション不良によって出場時間は2試合で20数分間にとどまった。まだまだ足りない部分が多いことは自覚している。