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池江璃花子「立ちくらみのような症状」は心配だが…「最近は悔しいですとばかり言っている」パリ五輪の言葉から見えた“4年後への覚悟”
text by
矢内由美子Yumiko Yanai
photograph byAsami Enomoto/JMPA
posted2024/08/07 11:00
100mバタフライからメドレーリレー、パリ五輪では計6レースに出場した池江璃花子(24歳)
「立ちくらみのような症状」は心配だが…
待望の個人種目復帰となった100mバタフライ準決勝から中1週間。池江は競泳最終日の女子400mメドレーリレー決勝でアンカーの自由形で泳ぎ、引き継ぎ時の5番手を最後までキープした。
「目標は順位を落とさないことだった。隣のフランスの選手と競うことになるだろうと思っていた。最後、みんなのことを思って全力で泳げた」と言い、レース直後は仲間と笑顔で抱き合った。
タイムは3分56秒17で堂々の5位入賞。リオ五輪では予選10位で決勝に進めず、東京五輪では8位だった女子400mメドレーリレーというこの種目で、五輪で出場したリレー種目の“自己ベスト”となる5位となった。
「想像しているタイムではなかったと思うけど、今の自分の力、自分たちの力は出せたと思う」と、一定の満足感もにじませた。
ところがテレビのフラッシュインタビューの後、ミックスゾーンに向かう前の待機エリアで「ふらっとなった」(日本水泳連盟)という症状で医務室に運ばれた。池江は19年2月に白血病と診断され、それから5年たった今年2月に自身のSNSで「あと8カ月で完全寛解。あと少し、何事もありませんように」と綴っている。
「立ちくらみのような症状」(日本水泳連盟)は心配だが、パリで診断した日本チームのドクターの所見によると、現時点では白血病との関係性は認められないという説明が出ている。
次は競泳人生の集大成と位置付ける28年ロサンゼルス五輪。また新たな姿を見せるための日々が始まっていく。