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「このままだと一生、中国人選手に勝てない…」早田ひな24歳が明かす金メダルへの覚悟「ぽかーんとした」卓球少女が“打倒中国”を目指すまで
text by
松本宣昭Yoshiaki Matsumoto
photograph byItaru Chiba
posted2024/07/31 17:00
卓球女子のエースとして個人・団体ともにメダルの期待がかかる早田ひな(24歳)
「技術でも上回ることができていたし、戦術面でも、後から振り返れば確実に勝利につながる道がありました。でも、私の頭が悪すぎた。私の頭が良ければ、絶対に勝てた試合だったんです」
レシーブがうまくヒットせず、ラリーでのフォアもバックも狙いを外れた。まさかの3連続ミス。目の前にあった金星は、あっという間に消えた。屈辱的な敗戦だった。
とはいえ、メディアは世界ランク2位相手に「大健闘」と報じた。ファンからは「もう一度戦えば勝てる」と励まされた。
どうすれば、22歳で頭は良くなるのか
しかし、本人の認識は違った。
「次は0-3で負けるかもって、思ったんです。中国の選手は、一度接戦に持ち込まれたら徹底的に対策を練ってきます。次の対戦ではボコボコにしてやろうと考える。それを超えるためには、自分自身がより進化しないといけない。中国の壁を乗り越えるには、本気で自分が変わらなきゃいけないと痛感しました。卓球に限らず、もっと知識を増やして、考える力を伸ばして、頭を良くしないと、って」
どうすれば、22歳で頭は良くなるのか。目をつけたのが「言葉」だった。
「それまでも自分で練習メニューを組んだり、相手の対策をしたりしていたんですけど、考えに深みがなかった。自分の中で突き詰められていない感覚だったんです。だから、考えを言語化することを徹底的に意識しました。たとえ擬音になっても、とにかく自分が思ったことを口に出して」
言語化能力の進化を、小学生の頃から指導する石田大輔コーチはこう証言する。
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