――となると、たとえばクラブチームでコーチと選手の親が揉めたり……みたいなケースもあるのでしょうか。

久美子　あるある。（夫の）チャーリーが昔、リトルリーグの監督をしてる時に、ある選手にバントをさせたの。そしたらそのお母さんから文句を言われたりね。「なんでうちの子がこの場面でバントしなくちゃいけないの？　打たせてよ」と。この頃からチャーリーが「24時間ルール」っていうのを決めて、親御さんにも子どもたちにも取り入れてました。「もし監督に何か文句が言いたいときは、24時間だけ待ってください。そのうえで話し合いに乗るのはOKですから」と。だいたい1日経てば冷静になって意見が変わるからね。これ、おすすめですよ。

久美子さんに聞く“次のWBC”「前回が最高だったから…」

――ちなみに次回のWBCは2年後、2026年に予定されています。もしラーズ選手が連続で選出されたら、久美子さんにも再び取材が殺到するでしょうね。

久美子　いや、次はもうそういうことはないから！　高校時代の佑ちゃん（斎藤佑樹）と出会って、母が日本人で、ラーズがお箸を使えて……みたいな同じことしか言えないから（笑）。もう、みなさんもお腹いっぱいでしょう。だから、もし仮に選出されても、積極的にメディア出演しないと決めてます。

2006年、野球の高校日本代表選手と交流。早稲田実3年生の斎藤佑樹と少年時代のヌートバー（左／提供=久美子さん）

――もちろん、選出はされてほしいわけですよね。

久美子　それはねえ。でも、外野は激戦区だから。こんちゃん（近藤健介）に（鈴木）誠也くん、吉田（正尚）くんでしょ。あと今、日本にすごくいい選手いるでしょ。万波（中正）さんか。そんなメンバーに割って入るだけでも難しいですよ。

自宅には仲間たちのサインが入ったWBCのユニフォームも飾られている　©Aogu Tanaka

　それにこうも思っていて。2023年大会があまりにも最高だったから、あれ以上の筋書きが想像できない。だからWBCの思い出は、2023年のまま終わってほしいという思いもあるかも、正直。あくまで私はね。本人いわく、大谷くんと次回大会で再会の約束をしているみたいだけど。結局、選出されるかどうかはラーズ次第だから。

＜前編とあわせてお読みください＞