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核心にシュートを!BACK NUMBER
「勇樹とはずっと『日本に帰ってきたら一緒にやろう』と…」《千葉ジェッツ入団決定》渡邊雄太と富樫勇樹 エース2人の“見えない絆”とは?
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph by(L)JIJI PRESS、(R)FIBA
posted2024/07/12 18:26
千葉ジェッツの富樫勇樹(左)は、自軍のプレーオフには渡邊雄太を招待するなどかねてより親交を温めていた
ただ、先のイベントで渡邊はこんな苦言を呈していた。
「勇樹とご飯に行っても、こいつは携帯しか触らんのよ、ホンマに、ずーーっと携帯触っとる。こっちが喋りかけても『うん』とかしか言わない(笑)」
そんな風に言われる富樫なのに、いや、目の前にいる相手とスマホの先にいる相手と2人同時にコミュニケーションを取れる富樫だからこそ、それだけ頻繁に渡邊に連絡を取れたのかもしれない。
目の前にはパリ五輪が控えているが、それが終われば、渡邊を見たいというファンが、ジェッツのホームゲームにもアウェーゲームにも殺到するだろう。チケット争奪戦がやってくるのは間違いない。ただ、そこまで注目されるのは、それだけ多くのものを渡邊が言葉と背中で表現したからに他ならない——。
「日本では長い時間出場することになるだろうから」
そういえば今年の5月30日、リーグも協力して、華々しく行なわれた元日本代表のニック・ファジーカスの引退試合でのこと。渡邊はそこにサプライズゲストとして参加したのだが、NBAでプレーした経験のあるファジーカスから、こう伝えられている。
「これからは相当疲れると思うよ。僕もそうだったけど、NBAではそれほど長い時間出場していなくても、日本では長い時間出場することになるだろうからね。大変だよ(笑)」
10月5日、ジェッツにとって2024-25シーズン初めての試合は、新アリーナでのホームゲームだ。迎える相手は田臥勇太や比江島慎の所属する宇都宮ブレックスである。
きっと世間は放っておかない。渡邊は10月13日には30歳になるが、日本中の期待と喜びを一心に受けながら、目の回るような30代をスタートさせることになる。