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核心にシュートを!BACK NUMBER
「勇樹とはずっと『日本に帰ってきたら一緒にやろう』と…」《千葉ジェッツ入団決定》渡邊雄太と富樫勇樹 エース2人の“見えない絆”とは?
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph by(L)JIJI PRESS、(R)FIBA
posted2024/07/12 18:26
千葉ジェッツの富樫勇樹(左)は、自軍のプレーオフには渡邊雄太を招待するなどかねてより親交を温めていた
そう、仮に渡邊の年棒が6億円でもおつりがくるくらいなのだ。
経済効果はジェッツだけにとどまらず、Bリーグ全体に及ぶ。現在ジェッツの「顔」でもある富樫勇樹が高校3年生、渡邊が2年生で初めて代表入りしたとき、2人の世話役を買って出ていた公認会計士の資格を持つ岡田優介という選手がいる。
彼はバスケ界のご意見番として、Xのアカウントにこんな投稿をした。
<「渡邊雄太が観れますよ」というパワーワードを全ての人が無料で使えるという経済効果>
もっとも、渡邊がジェッツを選んだ理由はお金ではないだろう。
Bリーグ入りを表明した場で、過去の優勝経験や給料ではなく、「僕を本気で欲してくれるチーム」にこだわると彼は語っていた。今回、それを示せたのがジェッツだったということだろう。
「勇樹とは『日本に帰ってきたら一緒にやろう』と…」
昨年夏、富樫の所属する事務所が主催した富樫と渡邊によるオンライントークイベントで、こんなやり取りがあった。
ファンからの質問に答える形で口火を切ったのが富樫だった。
「どこの国に行っても、優勝ってやはり全然違うから。例えば、雄太が日本のチームにいるとなって、そこに入ったら優勝の確率が高いと思ったら、そして(自分がそのチームに)行けるんだったら、絶対に俺は行くからね(笑)。『雄太を倒してこそ……』みたいな感情の人も、もちろんいるだろうけど、やはり優勝したいから」
渡邊もこう応じていた。
「勇樹とはずっと、『日本に帰ってきたら一緒にやろう』という話はしとるもんな! どこになるか、場所はわからんけど……」
さらに、2人には第三者には見えない絆がある。
NBAでの昨シーズン終盤、渡邊がメンタル面で苦しんでいたとき、頻繁に連絡してきたのが富樫だったという。世間にはそういう素振りは見せず、人の目につかないところで気を使うのが富樫なのだ。