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核心にシュートを!BACK NUMBER
「年俸は4億円とも6億円とも…」日本代表・渡邊雄太の千葉ジェッツ加入で日本バスケは何が変わる?「プレーでも言葉でも魅力を示せる」
posted2024/07/12 18:25
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph by
FIBA
渡邊雄太の千葉ジェッツ加入を、1つのチームだけの話題としてとらえるのはナンセンスだ。これはBリーグのエンターテイメントとしての魅力を信じたものたちの思いが実を結んだ証でもある。
プレーオフにあたるCSのホーム開催権を勝ち取れば、NBAのシーズンを終えたばかりの渡邊を船橋アリーナに招くことができる。実は富樫勇樹は、ホーム開催権を得たときには必ず、渡邊を招待してきた。
富樫「雄太はBリーグが盛り上がるのを喜んでくれる」
ただ、富樫はアメリカで高校生活を送り、NBA入りを目指してダラス・マーベリックスのサマーキャンプにも参加した経験がある。NBAが競技としても、エンターテインメントとしても、いかに魅力的なのかを熟知している選手だ。だからこそ、少し失礼な質問と理解しながらも、富樫にたずねたことがある。
――NBAでプレーする渡邊選手をBリーグの試合に招くとき、「恥ずかしいな」と思ったりはしないのですか?
このときの富樫の答えがふるっていた。
「そんな風に思ったことはないです。もちろん、NBAが世界最高の舞台なのは知っています。ただ、雄太は今までの日本のリーグのレベルや雰囲気も知っていて、Bリーグが盛り上がっていることを確実に喜んでくれているので。彼が『応援しに行きたい』と言ってくれる限りいつでも招待したいです」
そうやって富樫を応援してきた渡邊は、今度は富樫とともに、ジェッツを背負って戦うことになった。
渡邊がBリーグでプレーすることにより期待されるものはいくつもあるが、もっとも大きな意味を持ちそうなのが、日本におけるバスケットボール界の地位向上だろう。
彼が昨夏、日本のバスケ界で示したものは何だったか。渡邊は日本代表の価値を大きく引き上げた選手である。