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[飛躍の理由]1 遠藤航「導き出した答え」

posted2024/07/11 09:00

 
[飛躍の理由]1 遠藤航「導き出した答え」<Number Web> photograph by Getty Images

カラバオ杯を制し盟友ファン・ダイク(左)と称えあった遠藤。昨季は最終的にチーム5位の34試合に先発した

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小野晋太郎

小野晋太郎Shintaro Ono

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昨シーズン、日本が誇るデュエル王は周囲の懐疑的な評価を見事に覆し、赤き名門リバプールの不動のアンカーとして確固たる地位を確立した。いかにして彼は激しい生存競争を勝ち抜いたのか。その内幕に迫る。

 試合終了の笛は、聞こえなかった。

 2024年5月19日。6万人の大合唱は、たった1人の男のためにあった。残業嫌いなイギリス人も、この日ばかりはパブへ急ぐことはなく、スタンドで声を張り上げ続けた。満員の観客から送られる惜別のカーテンコールはチームのエンブレムにも刻まれたこの一節。

 You'll Never Walk Alone――。

 リバプールにプレミアリーグ初優勝やCL制覇を含む8つのタイトルをもたらした名将ユルゲン・クロップのラストマッチ。成績も然ることながら、その情熱で指揮官は誰よりもこの港街で愛された。9シーズンにもわたり指揮をとった男が、最後に信頼しピッチへ送り出した11人。円陣が解けると、その中心に遠藤航は立っていた。

「今日はお祭り感がありましたね。ただ、アンフィールド(リバプールの本拠地)は常にこの熱量なんですよね。いつも背中を押されるというか、むしろダメな時こそ応援してくれるっていう。チームの状態が悪くなった時も、試合後には拍手して称えてくれるんですよ。俺が来てからは、ブーイングも一回もされてないんじゃないかな。クロップもそうですけど……愛があるというか。一緒に闘ってる感がありますよね」

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