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“左打者=バースの幻影”がいまだに? ここ20年の通算成績だと「外国人は右打ちに限る説」ラミレスにマートン、サンタナやヘルナンデスも 

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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posted2024/07/09 11:02

“左打者=バースの幻影”がいまだに? ここ20年の通算成績だと「外国人は右打ちに限る説」ラミレスにマートン、サンタナやヘルナンデスも<Number Web> photograph by Kazuhito Yamada

プロ野球史上最強外国人打者の呼び声高いランディ・バース。左打ちの大スラッガーだが、近年の外国人打者の成績を見てみると……。

 以下、推測ではあるが――左打ちの優秀な打者はMLBでの需要が高い。つまり「MLBで食っていける」から、日本には来ないと見ることができる。

 NPBに来る左打者は、実力が落ちているか、技術的に劣る選手なのではないか。

 今季、巨人はテキサス・レンジャーズで30本塁打を3回記録し、メジャー通算178本塁打の内野手のルーグネット・オドーアを獲得した。三振が多く出塁率が3割を切っているのが気になったが、それ以上に左打者であることが、最大の懸念材料だった。

 結果的にオドーアはオープン戦で34打数6安打、0本塁打9三振の成績を残しただけで、公式戦に出場せずに退団した。その代わりに右打者のエリエ・ヘルナンデスを急遽獲得し、今に至っている。

“バースの幻影”がいまだに残っている?

 日本の球団関係者がそれでも「左打ちの外国人スラッガー」にこだわるのは――ランディ・バースの幻影がいまだに残っているからではないか。

 左打ちで2年連続三冠王になり、2023年には殿堂入りしたバースが「外国人打者の理想像」と長年とらえられていたとしても、不思議なことではない。

 しかしそれは40年近くも前のこと。「メジャー通算何本塁打」が、今や何の約束手形にもならないのは、常識と言ってもいい。それに加えて「左打者」の獲得には、相当見極めが必要になった時代なのかもしれない。

 なおこのたび、DeNAが獲得したマイク・フォード(エンゼルスで大谷と同僚だった時期がある)も左打者である。この傾向を覆すような活躍をするかどうか、注視したい。

週間記録セ:ヘルナンデスが2発6打点と絶好調

【2024年7月1日~7月7日 週間成績】
〈セ・リーグ〉
・今季成績
広 島76試38勝34敗4分 率.528 差--
巨 人79試39勝35敗5分 率.527 差0
阪 神79試38勝36敗5分 率.514 差1
DeNA77試39勝37敗1分 率.513 差1
中 日79試35勝38敗6分 率.479 差3.5
ヤクルト78試32勝42敗4分 率.432 差7

・13週目の成績
巨 人5試4勝1敗0分 率.800
中 日5試4勝1敗0分 率.800
阪 神6試4勝2敗0分 率.667
DeNA6試3勝3敗0分 率.500
ヤクルト6試1勝5敗0分 率.167
広 島6試1勝5敗0分 率.167

 広島が大敗して貯金を吐き出し、首位広島から5位中日までが3.5差にひしめいている。ヤクルトは最下位に沈んだ。

〈打撃成績5傑〉※打撃の総合指標、RC=Runs Created順
丸佳浩(巨)20打8安2本3点1盗 率.400 RC6.59
大城卓三(巨)17打9安1本4点 率.529 RC6.52
佐野恵太(De)24打10安5点 率.417 RC5.38
牧秀悟(De)25打8安1本5点1盗 率.320 RC5.28
佐藤輝明(神)23打6安2本3点 率.261 RC4.61

 ベテランの丸が巨人打線をけん引している。本来は捕手の大城は一塁を守って大当たり。本塁打は丸、阪神の佐藤輝、巨人ヘルナンデスの2本。打点は巨人・岡本和真、ヘルナンデスの6、盗塁はDeNA梶原昂希、森敬斗の2が最多だった。

〈投手成績5傑〉※リーグ防御率に基づくPR=Pitching Run順
髙橋宏斗(中)1登1勝9回 責0率0.00 PR2.59
平良拳太郎(De)1登1勝9回 責0率0.00 PR2.59
森下暢仁(広)1登8回 責0率0.00 PR2.30
井上温大(巨)1登1勝8回 責0率0.00 PR2.30
大竹耕太郎(神)1登1勝7回 責0率0.00 PR2.02
才木浩人(神)1登7回 責0率0.00 PR2.02

 中日の髙橋は7月5日の広島戦で完封勝利。99球、今季6例目のマダックスを記録。DeNAの平良は4日のヤクルト戦で完封勝利。救援では阪神の岩崎優、中日マルティネスの2セーブ、阪神ゲラなどの5投手が3ホールドを挙げた。

週間記録パ:ロッテ勢が安打量産

〈パ・リーグ〉
・今季成績
ソフトバンク76試50勝23敗3分 率.685 差--
ロッテ77試40勝31敗6分 率.563 差9
オリックス76試36勝38敗2分 率.486 差14.5
楽 天75試35勝38敗2分 率.479 差15
日本ハム76試34勝37敗5分 率.479 差15
西 武76試24勝51敗1分 率.320 差27

・12週目の成績
オリックス3試3勝0敗0分 率.1000
ロッテ6試5勝1敗0分 率.833
楽 天4試2勝2敗0分 率.500
ソフトバンク5試2勝3敗0分 率.400
西 武5試1勝4敗0分 率.200
日本ハム5試1勝4敗0分 率.200

 オリックスは7月3日の楽天戦が中止になったため5日まで3日試合なし。休養十分で3連勝、失速した日本ハムに代わって3位になった。しかし3位から5位までのゲーム差はわずか0.5。

〈打撃成績5傑〉
藤原恭大(ロ)21打8安6点1盗 率.381 RC5.81
藤岡裕大(ロ)17打8安3点 率.471 RC4.51
高部瑛斗(ロ)17打8安1本1点1盗 率.471 RC4.50
佐藤都志也(ロ)21打7安1本10点 率.333 RC4.24
栗原陵矢(SB)16打7安1点 率.438 RC3.99

 6月28日に今季初めて一軍登録されたロッテの藤原が、8安打1二塁打2三塁打、3四球の活躍。ロッテは藤岡、高部、佐藤都も好調だった。本塁打はオリックス杉本裕太郎が2本。打点は佐藤都の10、盗塁はソフトバンク周東佑京の3が最多だった。

〈投手成績5傑〉
武内夏暉(西)1登1勝8回 責0率0.00 PR2.82
古謝樹(楽)1登1勝6回 責0率0.00 PR2.11
田中晴也(ロ)1登1勝5回 責0率0.00 PR1.76
曽谷龍平(オ)1登1勝7回 責1率1.29 PR1.47
西野勇士(ロ)1登1勝7回 責1率1.29 PR1.47

 西武の新人、武内が4日のソフトバンク戦で8回零封。救援ではオリックスのマチャド、ロッテ益田直也が3セーブ、オリックスのコルデロ、古田島成龍、ロッテの鈴木昭汰が2ホールドをマークした。

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