大学野球PRESSBACK NUMBER
清原正吾の気になる進路「プロ野球志望?」本人の“本音”「父(和博)は慎重かも」驚きの身体能力…6年間も野球離れて“なぜ慶大4番になれた?”
text by
柳川悠二Yuji Yanagawa
photograph byShigeki Yamamoto
posted2024/07/10 11:02
清原和博の長男で、現在は慶應大4年の正吾。NumberWebのロングインタビューに応じた(後編)
「上等ですよね(笑)。プロになって、モデルの仕事と家庭を両立してくれた母に恩返ししたいですし、父に車を買ってあげたいという夢もあります。ただ、今の実力ではドラフトにかすりもしないというのが現状。プロにはほど遠い実力だと自覚しています。でもこの秋にもっと成長ができたなら……」
父も活躍したNPBの野球選手になること——それは最高の親孝行だろう。
「父とも進路の話はしていません」
正吾も頷きつつ、「僕以上に弟にこそプロになって欲しい」と言葉を継いだ。
「僕の性格上、自分がホームランを打ちたいというより、ホームランを打って喜んでくれる両親にホームランボールをプレゼントしたいという気持ちが勝るんです。家族が一番喜ぶことといえば、ずっと野球を頑張ってきた弟がプロになることだと思います。もちろん、僕もプロになれたらいいですけど、実績も何もない。父とも進路の話はしていません。プロの壁が高いことは誰よりも父がわかっている。だからこそ(進路に関する話題に)慎重になっているんじゃないでしょうか」
進路に関して決めているのは、大学4年の今年は就職活動をしないということだけだ。
「社会人野球は考えていないですが、海外の独立リーグには興味があります。ずっと体育会の人生だったので、海外に行ったことがない。大学には、海外への留学経験があって英語を喋れる友達も多いので。いつかは海外に行きたいとは思っていますが、今はとにかく大学ラストイヤーを悔いが残らないように全うして、野球をやりきってから進路を考えたい」
もしプロが難しければ1年の留年を経て就職活動する可能性も正吾は否定しなかった。
東京六大学リーグでは、本職のファーストだけでなく、セカンドや外野を守ることもある。それはチーム事情に加えて、外国人選手やベテラン選手が一塁を守ることの多いプロ入り後を見据えてのことだろう。
目先の目標は秋のリーグ戦優勝であり、明治神宮大会で大学日本一となり、有終の美を飾ること。神宮球場に応援に駆けつけた両親の前でホームランを打つという入部当初から掲げている目標も果たせていない。その先に、父への最大の恩返し=プロ野球選手になることができたなら、これ以上、正吾にとって幸福なことはない。