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清原正吾の気になる進路「プロ野球志望?」本人の“本音”「父(和博)は慎重かも」驚きの身体能力…6年間も野球離れて“なぜ慶大4番になれた?”
text by
柳川悠二Yuji Yanagawa
photograph byShigeki Yamamoto
posted2024/07/10 11:02
清原和博の長男で、現在は慶應大4年の正吾。NumberWebのロングインタビューに応じた(後編)
「野球人生の大きな転換期だったのかなと今では思っています。ベンチを外れて、寮も二軍寮になってしまって、夏の合宿も一軍の北海道ではなく、二軍の西焼津でした。常にベストを尽くしてきたつもりですから、『あの時にもっと頑張れば良かった』というような後悔はないんですけど、単純に自分の実力不足を痛感した。本当に悔しかったです。上に上がるためには何をすべきか。それを考えると、やっぱり自分の長所を伸ばすことだった。堀井監督もチームの方針として『一軍に上がるまでは長所しか見ない。一軍に上がってからは減点法で見る』ということをおっしゃっていますから」
正吾の長所、それはパワーであり、打球の飛距離だ。天性の運動神経に加え、アメフト時代にウエイトトレーニングに力を入れたことが、野球でも生きている。
「二軍ではバットをとにかく振り込みました」
二軍戦でホームランを量産し、この春、正吾は神宮の杜に帰ってきた。
監督の指導「素人同然で入部した自分を…」
チームとしては3位の結果ながら、正吾にとっては飛躍を遂げたシーズンとなった。最終節の慶早戦からおよそ1カ月が経過した取材の日、梅雨季に入った日吉のグラウンドで正吾を見つけるのは容易だった。186cm、90kgという頭1つ抜けた体躯に加え、大学日本代表の指揮官も務める堀井監督がつきっきりで打撃指導を行っていたからだ。
「素人同然の状態で入部した自分を、堀井監督はほんとに手厚く指導してくださって、いろんなチャンスをいただいて、なんとかここまでこられました。今日(取材日の6月27日)は春の反省を秋に生かすという話をしながら、バッティング時のトップの深さを意識した練習をやっていました。4番として春はホームランがゼロに終わってしまった。もう一段階、レベルの高いパンチ力を求めていきたいですし、打率を残すという意味でもコンタクト率にフォーカスして練習しています」
野球部の一軍選手たちが共同生活を送る寮で暮らしながら、正吾は通常の練習に加え、スポーツジムにも通う。
「シーズンオフには、『トータル・ワークアウト』に行って、父親の専属トレーナーでもあったケビン山崎さんにお世話になっています。僕はオスグッド(・シュラッター病。膝の下の皿の部分の骨が飛び出す病気)で、膝を少し痛めてしまっていて。下半身をもっと一回り、大きくしなきゃとは思っているんですけど、野球に生きる筋力の連動性を意識しながらトレーニングしています」
気になる進路「今の実力でプロは遠い」
リーグ戦における突然の覚醒によって、正吾の進路にも注目が集まる。就職や社会人野球を考えていないと公言したことで、「プロ一本に絞った」とも報道された。すると今度は、正吾の実力を疑問視するような記事も相次いだ。そんな評価は正吾も目にしているはずだ。