球体とリズムBACK NUMBER
「DFだった父の全盛期と1対1勝負したら? もちろん僕が勝つ(笑)」FWテュラムにMFコンセイソン、GKシュマイケル…EURO親子鷹物語がアツい
text by
井川洋一Yoichi Igawa
photograph byANP/Getty Images
posted2024/07/05 17:54
フランス代表FWマルキュス・テュラム。父はフランスW杯優勝メンバーの、あの名DFだ
「彼は小さくて特別な元気印(firecracker)だ」と大会前にポルトガルのロベルト・マルティネス監督が言った通り、小柄なアタッカーは火花のように主要大会にデビューした。チームメイトのブルーノ・フェルナンデスも、「フランシスコ・コンセイソンは人々を魅了するエネルギーを持っている。そのクオリティは仲間全員が認めているよ」と試合後に語っている。
もうこれからは、ただの息子として父と話せるよ
ウイングの息子より少し低い位置を担うことが多かった父セルジオは現役時代、ポルトやラツィオでリーグを制し、代表ではEURO2000のベスト4が最高到達地点。引退後すぐに指導者の道に進み、2017年から7シーズンにわたって務めたポルトの監督の座をこの春に退いた。8つのメジャータイトルを置き土産にして。
「もうこれからは、ただの息子として父さんと話せるよ」とシーコは先月、自身のSNSに綴った。
「息子として、父が成し遂げたことのすべてを誇らしく思う」
厳しい指導で知られるタフな父も、チェコ戦で息子が挙げた劇的なゴールをスタンドで喜んだ。特に家族を尊ぶポルトガルでも、彼らほど深い絆で結ばれている父と子はそんなに多くないだろう。
34歳ブリントはここまで1分だけ…若き才能に立ち向かえるか
ここまでわずかに1分しかピッチに立っていないオランダのデイリー・ブリントは、34歳のベテランとしてベンチからチームをまとめる役割を与えられているようで、準々決勝でも出場機会は訪れないかもしれない。
逆に相手には、トルコ国民の息子と言うべき存在の19歳のアルダ・ギュレルがいる。ドイツの21歳のジャマル・ムシアラ(現在3ゴールで得点王タイ)、スペインの16歳のラミン・ヤマル、イングランドの21歳のジュード・ベリンガム(スロバキアとのラウンド16では終了間際にオーバーヘッドキックを決めてチームを窮地から救った)も同様だ。
ベスト4進出を懸けた4試合では、往年の名選手やファン全体の“息子たち”に注目したい。