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「スキルはユウキ、顔はランかな(笑)」男子バレー日本代表が海外でも大人気なワケ… 記者も驚いたフィリピン熱狂の夜「彼らは実写版ハイキューだ」
posted2024/07/03 11:03
text by
田中夕子Yuko Tanaka
photograph by
Takahisa Hirano
9966人と1万2424人。
数字だけを見ればさほど大きな違いはない。ただ、明らかに“熱狂”ぶりが違った。
前者は6月30日、ポーランド・ウッチで開催されたバレーボールネーションズリーグ男子の決勝、日本対フランスの観客数だ。
準々決勝でカナダ、準決勝でスロベニアに勝利し、ネーションズリーグで日本は初の決勝進出を果たした。決勝に先だって行われた3位決定戦(ポーランド対スロベニア)に訪れた1万18人の観客がほぼそのまま残り、両チームのプレーに拍手を送る。
ひいき目を除いても、準決勝でポーランドに勝利したフランスよりも、日本を応援する人たちのほうが画面越しにも圧倒的に多く見える。山本智大の好レシーブから続いたラリーを関田誠大がつなぎ、石川祐希が決める。上背では圧倒的に劣る日本が得点するたびに歓声が起こる。
自国の代表であるかどうかを問わず、決勝戦という頂上決戦を楽しみ、最後は素晴らしい試合をした両チームに祝福が送られる。バレーボールに限らず、スポーツの現場で見る美しい光景だった。
だが、それとはまた違う“見たこともない熱狂”を目の当たりにしたのが、VNLファイナル前のフィリピンラウンドだった。後者の数字は、6月23日のアメリカ戦の観客数だ。
福岡の熱狂もすごかったけど…
現地時間19時開始の試合に向け、約1時間前の18時に日本代表がコートへ入場。すると、とんでもない歓声が沸き起こる。
「キャー!」ではなく「ギャーーーー!!」
2週間前、福岡・西日本総合展示場で開催された日本ラウンドでも、大きな歓声と拍手が沸き起こっていた。試合中にラリーが続き、好プレーで日本代表が得点を取ると大げさじゃなく会場が揺れた。
ただ、それ以上と言っても過言ではないほどに、フィリピン会場は熱気に満ち溢れていた。