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巨人の開幕投手にノーヒットノーランも…戸郷翔征が進化する秘密は“メジャー流”の仕上げ過ぎないキャンプにあり?「投げ込みは100球を超えない」
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byHideki Sugiyama
posted2024/07/04 17:37
巨人の開幕投手を務め、5月にはノーヒットノーランも達成。ここまで6勝をあげ防御率1.98と好調を維持する戸郷翔征。その進化の秘密とは?
「来年のキャンプも今年と同じようなやり方でいいかなと思っています」
来季もメジャー流の仕上げ過ぎないキャンプで臨むことを、戸郷は計画しているという。それもこれも今年のシーズンの自分自身に、これまで以上の大きな手応えを感じているからなのだろう。
そしてもう1つ。これは戸郷という1人の投手だけの経験ではないはずである。
日本ではキャンプは鍛える場であり、そこで蓄えた体力がシーズンを乗り切るエネルギーになるという考えが一般的だ。しかし、あくまで調整の場と考えれば、今年の戸郷のように出力を上げ過ぎずに身体と肩を作っていける。結果的にはそういう調整法の方がシーズンに入ってから状態が上がり、好調も持続できるケースもある。
キャンプを含めて練習で投げ過ぎの傾向にある日本の野球界の常識に、今季の戸郷の成績は1つの石を投げた。
戸郷が考える仕上げ過ぎないメジャー流キャンプは、日本のキャンプの常識を変革することになるかもしれない。