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「ダルビッシュの英語はスゴい」米国人記者が驚いた…メジャー日本人選手たちに言葉の壁「イッペイはうまかった」「通訳介さず大騒動の選手も」 

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水次祥子

水次祥子Shoko Mizutsugi

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photograph byJIJI PRESS

posted2024/06/04 11:01

「ダルビッシュの英語はスゴい」米国人記者が驚いた…メジャー日本人選手たちに言葉の壁「イッペイはうまかった」「通訳介さず大騒動の選手も」<Number Web> photograph by JIJI PRESS

今季、日米通算200勝を挙げたダルビッシュ

「イッペイは通訳がうまかった」

「いい通訳の仕事というのは一種のアートだと思う。選手が言ったことを短くまとめたり5つの文章を2つしか訳さなかったりということをしてしまいがちになると思うけど、それだと選手の言いたいことすべては伝わらない。いい通訳は、英語の表現をよく知っていて、伝えたいことをクリアに話せること、そして一番大事なのは選手の言ったことをもれなく伝えられることだと思う。もし選手が5分間語りつくしたら、通訳はそれをすべて訳して伝えるべき。これまでインタビューをしたときにその選手が2、3分話したのに通訳がいくつかの文しか訳さなかったということを何度か経験したことがある。選手の2、3分の話に対して通訳の話が1分程度だ。残りの1、2分は何を言っていたのかと思ってしまうよね。通訳には、選手が口にした細かいこともすべてもれなく訳してほしいし、もし選手の答えがぼんやりとしたものだった場合は、通訳がさらに突っ込んで細かい答えを引き出してほしい。

 その点、オオタニの通訳だったイッペイはうまかったし、いい仕事をしていたと思う。彼の言っていることは理解しやすかったし、オオタニが言ったことを過不足なく伝えていたという感じがする」

ロバーツと大谷の信頼関係

 そんな水原元通訳がいなくなり大谷は大丈夫だろうかと心配する向きもあったが、チームにはもうすっかり溶け込んでいる。それも、ロバーツ監督が大きな助けになっている。大谷とロバーツのいい関係をあらわす象徴的な出来事が「おもちゃのポルシェ」だったと、ミラー記者は指摘する。ロバーツ監督は日本生まれ選手では球団最多の7本塁打という記録を長年保持してきたが、4月26日のブルージェイズ戦で大谷に並ばれた。そのとき大谷からおもちゃのポルシェを贈られると、背番号を譲って本物のポルシェを贈られたジョー・ケリー投手と自分を比べながら、それを面白おかしく笑いに変え、話題をふりまいた。

「あんなふうにジョークのやり取りができるというのは、すでに相当な関係を築いていないとできない。相性もいいのだろう。選手と監督として、最高の関係を築いていると思う」

 そう指摘するミラー氏。ロバーツ監督の下で大谷がどれだけ数字を伸ばし勝利に貢献していくか、今後も注目していきたい。

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