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「ダルビッシュの英語はスゴい」米国人記者が驚いた…メジャー日本人選手たちに言葉の壁「イッペイはうまかった」「通訳介さず大騒動の選手も」 

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水次祥子

水次祥子Shoko Mizutsugi

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photograph byJIJI PRESS

posted2024/06/04 11:01

「ダルビッシュの英語はスゴい」米国人記者が驚いた…メジャー日本人選手たちに言葉の壁「イッペイはうまかった」「通訳介さず大騒動の選手も」<Number Web> photograph by JIJI PRESS

今季、日米通算200勝を挙げたダルビッシュ

 囲み取材のときなどは通訳を介することが多いが、クラブハウスで顔を合わせると挨拶を交わすし、カジュアルな言葉のやり取りも英語でする。1対1の短いインタビューを何度かさせてもらったことがあるが、彼と英語で話すのは楽しい。通訳がいるかいないかで選手の印象は変わらないとは言ったが、通訳がいなければ話しかけやすいというのはある」

 一方で通訳を介さなかったためにトラブルに発展した事例もつい最近起こった。大谷が敵地のメッツ戦で14号本塁打を放ったときのこと。その一発を浴びたメッツの救援投手ホルヘ・ロペスが直後にいら立って退場処分となり、ベンチに戻る際にグラブを客席に投げ込み、試合後の囲み取材で「自分のしたことには何の後悔もない」と言い放ったのだが、その後のロペスの発言を巡って騒動になった。プエルトリコ出身でスペイン語が母国語のロペスは通訳を介さず英語で話し、「自分は最悪のチームにいる」と言ったと米メディアに伝わり物議をかもしたのだ。後から「自分はチームメートとして最悪だ」と訂正するも、通訳なしで話したことで「最悪なのはチームなのか、それとも自分なのか」が混同され、ロペス自身が窮地に陥る事態となった。

非母国語を話すリスク

「私は、会見や囲み取材のように大勢のメディアの前で話すときに通訳を介すことは、いいことだと思っている。英語が母国語ではない選手にとっては、米国メディアが威圧的に感じることもあるだろうし、言葉の選択ミスで誤解を生じたときにそれが大きな見出しになってしまうこともある。自分がもし選手でなおかつ母国語が英語ではなかったら、英語でインタビューを受けることはためらうね。慣れない言語でしゃべったときに、誤解が生じるのは嫌だから。

 英語が母国語ではない選手が米国の言葉や文化に馴染むことがどれだけ大変かはもっと認識されるべきだし、それを乗り越えて活躍している選手はもっと賞賛されるべきかもしれない。メジャーでプレーするだけでもすごいプレッシャーなのに、その上フィールド外でも人より何倍も大変なのだからね」

 米国メディアにとって、別の言語を英語に訳してくれる通訳とはどんな存在か。いい通訳とはどんなものだろうか。

【次ページ】 「イッペイは通訳がうまかった」

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