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「代表にはなれなかったけど…」“補欠を辞退しなかった”杉原愛子のプライド…記者が見たパリ五輪“涙の落選”までの舞台裏「自分は体操が大好き」
text by
矢内由美子Yumiko Yanai
photograph byGetty Images
posted2024/05/28 18:03
NHK杯で総合5位となり、パリ五輪への補欠帯同を表明した杉原愛子
パリ五輪を目指した杉原愛子の“誇り”
過酷な日々を自分に置き換えるかのように語りつつ、杉原が補欠として帯同することについても言及した。
「後ろからサポートしてもらえるとチームも活気づくと思う。愛子の役目を果たしてほしいと思う」
21年東京五輪で種目別ゆかの銅メダルを獲得した村上さんも、15年世界選手権(英国・グラスゴー)には帯同補欠として現地に行き、現地で負傷者が出たため代わりに出場して好成績を収めた経験があるのだ。
杉原は「選手の立場を一度離れてみて、やはり自分は体操が大好きだと思った。パリ五輪を目指して頑張って、結果としては代表選手になれなかったけど、こうしてたくさんの人に支えられたことに感謝しかない。1年間、選手を休んでも競技復帰できるということを皆さんにお伝えできたし、発信することもできた。この舞台で戦えたことを誇りに思う」と胸を張った。
「パリを目指す」と発してきたことに一分のエクスキューズもない言葉だった。