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「NBA挑戦もパリ五輪も大事」バスケ富永啓生(23歳)が“選択”を迫られる2024年の夏「ドラフト指名がなければ…」天才シューターの青写真
text by
宮地陽子Yoko Miyaji
photograph byNebraska Athletics
posted2024/05/21 11:02
ネブラスカ大を卒業式に出席した富永啓生(23歳)。この夏はパリ五輪だけでなく、目標としてきたNBA入りを懸けたチャレンジが控えている
「元々、深く考えすぎるのが好きじゃない性格だと思う。これだと思ったらこれっていう感じの性格なんで」
迷わないのは進路だけではないらしい。たとえば、レストランに入ってメニューを選ぶとき。朝、洋服を選ぶとき。そんなときもたいてい迷わず、スパッと決めるのだという。
むしろ、変に迷って決めると、後から後悔することもあるというのだ。
「逆に考えすぎると、こっちにしたらよかったなってなってくると思うんで、あまり考えずに、感覚でこちらが良さそうっていうので決めます」
迷わない。悩まない。それこそが、富永啓生の選択の美学なのかもしれない。思っていた以上に直感の人だ。
そうやって様々な局面において直感で決めることができるのには、彼なりの理由があった。人生で自分がやりたいこと、目標にしていることがはっきりしているのだ。
「やっぱり目標としてるところがあるんで、それに向かってどうするのが一番かっていうのを考えたときに、けっこう簡単に判断できる方かなと思ってます」
すでに思い描いている“進むべき道”とは?
そこで冒頭の、シュートに戻る。試合中の富永は、シュートを打てる状態を作ることに力を注ぎ、いざシュートを打つときは、迷わずスパッとシュートを打つ。彼にとっての人生の選択も、それと似たようなものなのではないだろうか。自分の人生でやりたいことがはっきりしていて、常にそこに向けて努力をしている。だから、岐路に直面したときに迷うことはない。
試合中は、「どうしたらチームが勝てるようになるのか」を考えて選ぶ。同じように、人生における選択なら「どっちの方が自分のためになるか」が、その選択の基準になるとのだいう。
今年夏についても、特に大きな選択を前にしているという意識はないという。彼の中ではすでに進むべき道は思い描けているからだ。