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“打てる捕手”だった巨人・阿部慎之助監督の高いハードル…大城卓三が“正捕手”の座を奪われた理由「岸田行倫や小林誠司の振る舞いを勉強して欲しい」
posted2024/05/06 17:12
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph by
Nanae Suzuki
4月29日の東京ドーム。この日の対ヤクルト戦の巨人先発は、4月8日に右脇腹直筋損傷で一軍登録を抹消されていたフォスター・グリフィン投手だった。
22日ぶりの復帰マウンド。ところが左腕は、立ち上がりから苦闘のピッチングが続く。初回1死から丸山和郁外野手に147kmのストレートを左前に弾き返されると、ここから3連打で先制点を許し、なお2死満塁から連続適時打で計4点を奪われた。さらに2回には自らのボークも絡んで1失点。3、4回には山田哲人内野手と村上宗隆内野手の本塁打を浴びて、自己ワーストとなる4回11安打8失点でKOを食らった。
ゴールデンウィークの惨劇
4月23日から始まったゴールデンウイーク9連戦中の惨劇である。
「9連戦ということもあって(グリフィンに)見切り発車させてしまったかなと思って……僕が反省しています。ゴールデンウイークで今日しか観に来られていない人もいるかもしれないんですけどね。ちょっと無様な試合だったので申し訳ないと思います」
序盤で試合が決まってしまい、3回にはグリフィンに打順が回ってもそのまま打席に送り込まざるを得なかった巨人・阿部慎之助監督は、こうファンに詫びるしかなかった。
そしてこの試合でグリフィン以上にファンの厳しい声を浴びることになったのが、先発マスクを被った大城卓三捕手だったのである。
阿部監督が「狙い打たれたのか」と指摘した背景
試合後に阿部監督がグリフィンの投球をこう分析していたことが、大城のリード面での問題を指摘してもいた。