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「月面のサムライ」「ランはシンデレラ」高橋藍22歳バレー王国イタリアでなぜ絶賛? ベテラン名物記者も断言「選手として一皮むけた」
posted2024/05/04 11:02
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph by
Takahisa Hirano/AFLO
世界最高峰リーグと謳われるイタリア・セリエAで大きな結果を残したバレーボール日本代表・高橋藍(22歳)。現地でのリアルな評価を、在住23年のスポーツジャーナリスト弓削高志氏がレポートする。
高橋藍のイタリアでの3年目が終わった。
世界最高峰リーグ、セリエAで準優勝し、コッパイタリアとCEV(欧州バレー連盟)チャンレンジカップという2つの国内外カップ戦でも準優勝と堂々の結果を残した。
“月面のサムライ”
高橋は重力に逆らい、宙を舞いながらジャンプサーブやパイプ攻撃を何本もイタリアのコートに叩き込んだ。敗れはしたが、セリエAの頂点に挑んだプレーオフ決勝での激しくも優雅な高橋のプレーぶりを現地紙『ガゼッタ・デッロ・スポルト』はこう評している。
驚きの快進撃「チェネレントラ」
昨秋の開幕から濃密な7カ月間だった。
高橋は切れ味鋭いジャンプサーブとパイプ攻撃を武器に、カナダ代表のアウトサイドヒッター、ステファン・マールとイタリア代表のミドルブロッカー、ジャンルカ・ガラッシらとともにモンツァを牽引し、リーグ戦での白星を積み重ねた。失うもののない彼らはカップ戦でも快進撃を見せ、現地メディアから「チェネレントラ(=シンデレラ)」と呼ばれるようになった。
過密スケジュールのせいもあってか、冬には怪我で欠場した時期もあったが、高橋はモンツァへの移籍1年目にもかかわらず、攻守にわたるチームのキーマンとして躍動した。
3年前、イタリアに来た当初と何がちがうのか。高橋は現地紙のインタビューに心情を語っている。