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大谷翔平はドジャースの“聖域”ではない…「もう少し落ち着いて」ロバーツ監督の苦言が示す“健全な関係性”「むしろ笑いに変えるぐらいの…」
posted2024/05/03 11:03
text by
阿部太郎Taro Abe
photograph by
Getty Images
4月23日、首都ワシントンDCでのナショナルズ戦前の監督囲み。ドジャースのデーブ・ロバーツ監督は記者から大谷翔平とのコミュニケーションのアプローチについて聞かれた。いつものように、ゆっくりと大きな声で答えた。
「アプローチは他の選手と同じだ。彼がもっと打撃でうまく対応できるように、答えの手がかりを与えて彼に気づかせること。それが手助けになればいい」
大谷のミスをきっぱりと指摘したロバーツ監督
伏線はあった。
1週間前のナショナルズ戦、大谷は得点圏で3打席連続初球を打ち損じて凡退した。監督は試合後、「もう少し、走者を背負っている場面で落ち着いて、球数を稼ぐ必要もある」と苦言を呈し、「彼とそのことについて話し合うだろう」と語った。
すぐに指揮官は動いた。大谷とコミュニケーションを取り、「得点圏の時、ストライクゾーンが広がっているんじゃないか」と助言した。大谷はその会話について、「アグレッシブなのが悪いとかではなくて、(得点圏で)アグレッシブなゾーンが広がっている。スコアリングポジションではないところではしっかりとできているので、それを継続していこう」と言われたことを明かした。
本拠地開幕戦の3月28日にも、大谷の走塁ミスについて、監督は指摘することを忘れなかった。
初回。1番のムーキー・ベッツが四球で出た後、右翼線への二塁打を放った。大谷は打球を見て三塁にいけると確信し二塁を蹴ったが、ベッツは三塁でストップ。大谷は挟まれてアウトとなった。ボーンヘッドだ。指揮官は「彼は足が速いが、前に走者がいることを理解しないとね」と笑わせた後、きっぱりとこう言った。
「次の打者に(強打の)フリーマンが控えていた。一塁走者(のベッツ)をホームでアウトにさせたくない。そのことも頭に入れないと」