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山本由伸25歳と「ドジャース捕手の相性問題」“打てるが強気すぎスミスより守備型バーンズ”の現状…DH大谷翔平も“パズルの要素”なワケ

posted2024/05/02 06:02

 
山本由伸25歳と「ドジャース捕手の相性問題」“打てるが強気すぎスミスより守備型バーンズ”の現状…DH大谷翔平も“パズルの要素”なワケ<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

開幕して1カ月強が過ぎた山本由伸。ドジャースでの投球内容を精査する

text by

広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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Nanae Suzuki

 ドジャースの山本由伸(25)は現地4月25日のワシントン・ナショナルズ戦で6回を零封し、2勝目を挙げた。

 防御率は3.54、ナショナル・リーグの平均防御率は4.13前後だから、ようやく「平均以上」になった。4月30日終了時点で規定投球回には達していないが、防御率ランキングに当てはめると22位だ。

 ここまで、山本はやや苦労している印象がある。3年連続沢村賞を受賞した「NPB最高の投手」が、ここまで苦労をするとはやや予想外ではあった。

ここ2試合の登板で上り調子ではある

 もともと山本は「立ち上がりがやや弱い」投手ではあった。オリックス時代の2023年も27失点のうち13点は3回までに記録している。それがMLBに移籍した今季はさらに極端に出て、12失点はすべて3回までに喫している。

 もちろん、この極端な数字は3月21日の開幕2戦目のパドレス戦で、1回に5失点したのが響いているのだが……。

 今季ここまで登板した6試合を振り返ろう。

 3月21日 パドレス戦 ●
 1回43球4安0本1四1死2振 責5/捕手:スミス
 3月30日 カージナルス戦
 5回68球2安0本0四5振 責0/捕手:スミス
 4月6日 カブス戦 〇
 5回80球3安0本2四8振 責0/捕手:バーンズ
 4月12日 パドレス戦 
 5回91球4安2本1四6振 責3/捕手:スミス
 4月19日 メッツ戦
 6回99球7安1本1四9振 責3/捕手:スミス
 4月25日 ナショナルズ戦 〇
 6回97球4安0本1四7振 責0/捕手:バーンズ

 ここ2試合はQS(6回以上投げて自責点3以下)という先発投手の最低限の責任を果たしている。明らかに上り調子ではある。

スミスとバーンズ…ハッキリと違う個性とは

 この戦績を見ていると、捕手との相性はどうなのか、という点が気になってくる。

・スミス 4試0勝1敗
 17回17安3本3四1死22振、責11率5.82
・バーンズ 2試2勝0敗
 11回7安0本3四15振、責0率0.00

 正捕手のウィル・スミスより、控え捕手のオースティン・バーンズと組んだ時の方が、圧倒的に成績が良い。

 2人はハッキリと個性が違う捕手だ。

【次ページ】 スミスとバーンズ…ハッキリと違う個性とは

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山本由伸
ロサンゼルス・ドジャース
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