虎今和歌集BACK NUMBER
「監督が笑っているのは前川が…」最下位→首位独走、阪神ファン歌人が詠んだ“4月の虎”「昨日まで鈍行だった阪神が急行みたいに駆け抜けていく」
text by
池松舞Mai Ikematsu
photograph byHideki Sugiyama
posted2024/05/03 11:05
一時は最下位にもなった4月の阪神。猛虎の窮状に4月途中から思わず詠み始めてしまった虎党の池松舞氏による短歌で5月1日までを振り返る
打線がつながり7得点
4月19日 阪神―中日 〇 7-0
先発・青柳晃洋の自ら放った犠牲フライ、大山悠輔の第1号ホームランなど、阪神が7対0で快勝。10試合つづけて2得点以内だった打線がつながった。
スイングが強いぶんだけ自打球もほかの人より痛そな森下
森下が木浪にハイタッチをねだる遂に出た大山のアーチで
昨日まで鈍行だった阪神が急行みたいに駆け抜けていく
打線大爆発で今季初の2ケタ得点
4月20日 阪神―中日 〇 15-2
阪神が14安打15得点の猛攻で勝利した。先発の大竹耕太郎は立ち上がりこそ不安定だったが、粘りのピッチングで今季2勝目をあげた。
ようやっと三、四、五番が打ち始め土曜の昼に十五点とる
監督が笑っているのは前川が左ピッチャーから打ったから
あとはもうだれが打ったかわからないこんなに急に変わるものなの?
いつのまにやら6連勝
4月21日 阪神―中日 〇 3-0
先発・才木浩人が雨のなか好投を見せる。援護したい阪神は6回裏、佐藤輝の3ランホームランで先制。試合はその後、7回降雨コールド。阪神は6連勝。
潮干狩りみたいなグランドコンディション何度も白砂を足している
がむしゃらに投げる才木の純粋とやまない雨が混ざる美しさ
大和が代打で出てきて詠んだ一首
4月23日 横浜―阪神 △ 1-1
先発・村上が8回1失点も打線の援護は6回の森下のタイムリーツーベースのみ。継投陣が全員ヒットを浴びながらも無失点で切り抜けた。
見極めた球をストライクと言われテルはパンダみたいな顔をする
大和がね代打でくると複雑な昔の恋人みたいな気持ち
十二回裏に三塁まで行かれサヨナラされずに済ます岩崎
「最後までよく守ったね」「お互いね」観客たちもエール送り合う