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「監督が笑っているのは前川が…」最下位→首位独走、阪神ファン歌人が詠んだ“4月の虎”「昨日まで鈍行だった阪神が急行みたいに駆け抜けていく」

posted2024/05/03 11:05

 
「監督が笑っているのは前川が…」最下位→首位独走、阪神ファン歌人が詠んだ“4月の虎”「昨日まで鈍行だった阪神が急行みたいに駆け抜けていく」<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

一時は最下位にもなった4月の阪神。猛虎の窮状に4月途中から思わず詠み始めてしまった虎党の池松舞氏による短歌で5月1日までを振り返る

text by

池松舞

池松舞Mai Ikematsu

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Hideki Sugiyama

 一時は最下位となるも、引き分けを挟み7連勝と破竹の勢いで首位に立った4月の阪神タイガース。『野球短歌』(ナナロク社)の著者で作家・野球歌人の池松舞氏が「快進撃の4月」を詠んだ。

 今季、とくに短歌を詠もうとしていたわけではなかった。しかし開幕から波に乗れないタイガースを見ていたら、どんどん心がざわついてきた。そして4月12日の中日戦後、思わず歌を詠んでいた。

 4月12日 中日―阪神 △ 2-2

 サヨナラを食らう気がしてリモコンを片手に見てたすぐ消せるから

 負けなかった勝てなかったが負けなかった食いしばった歯は折れなかった

 その後、ナンバーウェブ編集部より依頼があり、4月16日から再び詠むことにした。

(編集部注:日付側の球団がホームチーム、○=阪神の勝ち、△=引き分け、●=阪神の負け)

伝統の一戦は稲妻でお開きに

 4月16日 阪神―巨人 △ 1-1

 阪神は1点を追う7回、代打・糸原健斗が犠牲フライを放ち同点に。延長10回、雷雨によりコールド引き分け。

 一点を先制されただけなのに負けたと思ってしまう空気

 普通ならヒットになってる三本がぜんぶ捕られる(なんで?)と思う

 七回のピンチを抑えて村上が吠えた!まだ負けているけど

 打つ前から涙が出そうだ糸原の代打、犠牲フライを決めた

 真っ暗な空をまっぷたつに裂いたカミナリが引き分けにする夜

2点を大事に守り抜いた投手陣

 4月17日 阪神―巨人 〇 2-0

 3回裏、森下翔太のタイムリーヒットで阪神が2点を先制。その後、追加点はなかったが、先発の伊藤将司と継投陣が守り抜いた。

 なんでかな先制しても胸が痛いずっと攻められている気がした

 森下がゲームセットの瞬間に笑ったのを見てやっと笑えた

2点までしか入らない阪神打線

 4月18日 阪神―巨人 〇 2-1

 先発の西勇輝が8回1失点も援護なく、1点を追う阪神は8回裏に森下のタイムリーで同点、そのまま延長戦へ。10回裏に佐藤輝明がサヨナラヒットを決めた。

 勝つんだと打てなくっても勝つんだと西のボールが言ってるようだ

 サヨナラを決めた佐藤のきらめきが夜の上から全員に降る

 スタンドで輝のタオルに身を包み光のようにはしゃぐ少年

【次ページ】 打線がつながり7得点

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