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チャビ続投決定バルサ「238億円の16歳」ヤマルもスゴいが「チャンピオン!」異常すぎるマドリーの勝負強さ…クラシコをカメラマンは観た
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph byDaisuke Nakashima
posted2024/04/26 17:41
現代の名手、そして未来の超新星が集うエル・クラシコ。最後に光ったのはまたも、マドリーの異常な勝負強さだった
マドリーとバルサは、週中にCL準々決勝を戦い、全く違う結果を得てこの試合を迎えている。火曜日に試合のあったバルサは、ファーストレグのアドバンテージを活かせず、パリ・サンジェルマンに敗退。水曜日のマドリーは、前年CL覇者のシティに対して、延長の末のPK戦を戦い抜き、トーナメントを勝ち進んだ。
また戦前、リーガ首位マドリーと2位バルサのポイント差は、8ポイント。バルサにとっては、首の皮一枚残すためには勝利しかなく、マドリーにとっては、直接バルサにトドメを刺せる決戦の舞台だった。
マドリーはCLでのスタメンと比べると、ビニシウス、ベリンガムら主力こそいるものの、CLではサブだったモドリッチ等3人の変更が見られた。
一方でバルサは、怪我から復帰したばかりだったペドリをサブとし、代わりにクリステンセンを入れた現状のほぼベストメンバーだった。
また16歳のラミン・ヤマル――国際スポーツ研究センター「CIES」によると、1億4500万ユーロ(約238億円)の市場価値との発表もあった――がクラシコ初先発となったが、ピッチを取り囲みそびえ立つようにすら見える観客席を前にも全く緊張する様子など見せず、不敵な笑みさえこぼしていた。
バルサが先制、疲労困憊でもマドリーはマドリーだった
選手入場時、選手はピッチより一段低くなった通路に集まり、互いに健闘を誓い合う。そして厳かなマドリーのイムノが流され始めると、数段の階段を登り光輝くピッチへと足を踏み出す。
試合はキックオフからわずか6分、マドリーGKルニンがコーナーキックのボールを被ってしまうミスに、ファーサイドに詰めたクリステンセンが頭で合わせバルサが先制に成功。
絶対に勝利が必要なバルサに対して、CLの激闘から中3日でこの試合を迎えたマドリーの疲労、そしてモチベーション不足を感じさせるほどあっさりとしたものだった。
ただ、ここはサンティアゴ・ベルナベウ、数々の魔法の夜を作ってきた。
7万8000人が見守るなかで、易々と負けるわけにはいかない。
失点直後のビニシウスのあわや同点というシーンを皮切りに、マドリーも攻撃の圧を高め一進一退の攻防が繰り広げられる。
円熟の32歳バスケスの仕掛けに17歳新鋭CBが…
そして18分、先発起用の右SBルーカス・バスケスが相対するカンセロをかわし、ボックス内ポケットへ侵入。冷静にゴール前を確認する32歳バスケスに対したのは、今季頭角を現し一気にレギュラーポジションを奪った17歳バルサCBパウ・クバルシだった。