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《真相直撃》プロ野球で話題「選手プロデュースグルメ」は本当に選手が関与している? 西武の試食会に潜入…“激辛メニューがない”納得の理由
text by
カルロス矢吹Carlos Yabuki
photograph byYabuki Carlos
posted2024/05/03 11:10
プロ野球選手の「プロデュースグルメ」は本当に選手が関係しているのか? 関係者を直撃した
豊田 「選手プロデュースメニュー」と名前がついているものは、もれなく選手自身がプロデュースして販売されています。ただ、その中でも佐藤選手は時間をかけた方ですね。
対象選手はどう決まる?
――佐藤龍世選手は、ライオンズでは初の選手プロデュースグルメ発売となります。そもそもプロデュースを担当する選手は、どのように決めているのでしょうか?
豊田 ファンの皆さまからの期待や、ベルーナドーム内のグルメとの関連性、成績などを総合的に考慮して決めています。今回佐藤選手で行こうと決まったのは、昨年の活躍だったり、今年から背番号が10に変わったこと、さらなる飛躍が期待されていること……が理由です。
――ではこの佐藤選手の「なまら豚丼」を例に、メニューが決まるまでのスケジュール感を教えてください。
豊田 大まかに「どんなメニューを作りたいのか?」ということを、選手たちに大体11月以降から2月ぐらいまでの間に聞いています。佐藤選手の場合は、昨年11月のファン感謝デーの際にヒアリングを行いました。複数意見を出してもらうのですが、その中で「自分でもよく作っている地元・北海道の名物料理、豚丼をやりたい」と。そしてオフシーズンの間にベルーナドームに入っている店舗との打ち合わせを行って、3月に試食という流れですね。もちろんこれは発売時期にもよりますが。
商品が開発されるまで
――ヒアリングでは、具体的にどのようなことを聞くのですか?
豊田 私のような飲食担当の者が、選手に直接「食べ物の好き嫌いは?」から始まって。あとはもう本当細かく、「学生時代の思い出のお弁当なんですか? 行きつけのお店は?」というところまでヒアリングしています。その内容を持ち帰って、開発して、今日のようにちょっとお肉の切り方を変えたりとか、多少味付けを変化させたりとか。選手に実際食べてもらって、「これがいいです!」と納得してもらったものを販売します。
――「なまら豚丼」は、サンプルとしてお肉を4パターン、付け合わせを6パターン、それぞれ店舗側が用意されていました。そこから組み合わせる形で試食会が進んでいましたが、佐藤選手は味付けに相当驚いていらっしゃいましたね。「自分が家で作る味と全く同じです」と。この辺も事前にヒアリングしていたということですね。