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史上最年少15歳でドラフト指名され阪神へ…“神童”辻本賢人はいま、何をしている?「周りの人は僕が野球をやっていたことを知らない」 

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酒井俊作

酒井俊作Shunsaku Sakai

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photograph byKiichi Matsumoto

posted2024/04/08 11:01

史上最年少15歳でドラフト指名され阪神へ…“神童”辻本賢人はいま、何をしている?「周りの人は僕が野球をやっていたことを知らない」<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

2004年、15歳で阪神タイガースからドラフト指名された辻本賢人。35歳になったいま、運命を変えた「20年前のあの日」を振り返る

岡田彰布は「想像もつかんけど、将来が楽しみや」

 当時、阪神の監督だった岡田彰布も「中学生(を卒業したばかり)でプロに入るなんて想像もつかんけど、将来が楽しみや。140km以上の球を投げるということやし、体も大きい」と期待を口にしていた。一方、まだ発育途上の15歳を指名したことの責任の重さを問う声が球界内外から噴出していたが、球団側は辻本が自立した考えを持っていることを把握し、両親とも話し合いを重ねた末に入団へとこぎつけていた。

 辻本にとってもタテジマのユニフォームには縁があった。父や祖父が阪神ファンだったため、小学生低学年の頃から甲子園で応援した。ライトスタンドでプレーを見守るなか、やがて、ある選手の躍動感あふれる動きに魅せられるようになった。センターを守り、強肩と華麗なダイビングキャッチを披露する。すらりとしたシルエットが映える新庄剛志(現日本ハム監督)だった。

「リストバンドの『赤』を身にまとっていましたよね。視覚的なことって、子どもは結構、憶えているものです。とにかく、あのころから阪神が好きだったんです」

 野球に触れた原点である甲子園で投げられるのか。初心が思わぬ形で現実になるのだ。この上ない喜びだった。目の前には誰も歩んだことがない道がある。辻本は大志を胸に抱き、第一歩を踏み出した。

<続く>

#2に続く
15歳でドラフト指名、20歳で戦力外…辻本賢人の阪神入団は“失敗”だったのか?「先輩たちの愛を感じました」本人が明かす“現役時代の真実”

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