オリンピックへの道BACK NUMBER
「ペアにはつきものと言えるが…」りくりゅうが向き合った“ケガとの闘い”…それでも三浦と木原が世界選手権で見せた「2人ならではの世界」とは
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byJIJI PRESS
posted2024/04/03 17:01
互いの怪我を乗り越え、世界選手権で銀メダルを獲得した三浦璃来、木原龍一
それを実践して「強くなれた」と手ごたえを得た。また、三浦がサポートする局面もあった。思いがけない出来事をも糧として進んできた。今までよりも強さを備え、互いをサポートする関係も深めた。その一面を見せたのが世界選手権だ。2人が目標とする2026年のミラノ・コルティナダンペッツォ五輪へ向かう強い意志のもとで示した成長の過程でもある。
そして2位となったことで、規定により来年の世界選手権におけるペアの日本の出場枠3を確保することができた。若いペアの選手たちも出てきている中、2人は大きな役割を果たした。
周囲への配慮を忘れない木原らしさ
試合後の会見、表彰式は木原に過呼吸の症状が出たことから欠席。
2日後に機会が設けられ、2人は銀メダルを手にした。質問に答える中で木原はこう言ったという。
「ストレッチャーに乗せていただいたんですけれど、ふだんはリフトをする側で、パートナーの気持ちが分かりました」
ユーモアを込めた言葉は、いつもポジティブであろうと心がけ、そして周囲への配慮を忘れない木原らしかった。